低迷「NEWS23」小川彩佳アナの迎えた大ピンチ…TBS社長の口から飛び出した「全く不十分」発言

6月からTBS系「NEWS23」のメインキャスターに就任したものの苦戦が続く小川彩佳アナウンサー
6月からTBS系「NEWS23」のメインキャスターに就任したものの苦戦が続く小川彩佳アナウンサー
夜のニュース戦争で勝ち組になりつつある「news zero」の有働由美子アナウンサー
夜のニュース戦争で勝ち組になりつつある「news zero」の有働由美子アナウンサー

 “三顧の礼”をもって迎えた4か月前からは想像もつかない厳しい言葉がTBS・佐々木卓社長(60)の口から飛び出した。

 25日、東京・赤坂の同局で開かれた社長定例会見。テレビ朝日を退社し、フリーになった小川彩佳アナウンサー(34)をメインキャスターに迎え、6月3日からリニューアルされた看板ニュース番組「NEWS23」(月~金曜・後11時)の現状について聞かれた佐々木社長が率直に答えた。

 「少なくとも『NEWS23』という番組を見てもらう水準というのが以前からある。より多くの人に見てもらいたいと。この時間帯にはニュース(番組)がひしめいている中で遅れをとってしまうということ自体は、いいクオリティーのものをより多くの人に見てもらいたいという点から、今は不十分であるんじゃないかと思っています」―。

 さらに続いた言葉が「何%という目標ではなく、多くの人に見てもらうという意味では…。まだまだ見ていただく水準としては全く不十分かなと思ってます」。早大ラグビー部出身で返答に良く出てくる言葉が「仲間」。温厚で知られる同社長の口から飛び出した「全く不十分」という強い言葉には正直、驚かされた。

 確かに「NEWS23」は大苦戦中だ。平均視聴率は2~4%台。12~13%台と完全に“勝ち組”の小川アナの古巣「報道ステーション」に大きく水をあけられている。有働由美子アナ(50)の日本テレビ系「news zero」の7~8%台にもリードを許し、大江麻理子アナ(40)のテレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」、三田友梨佳アナの(32)フジテレビ系「Live Newsα」に激しく追い上げられている日々だ(数字はビデオリサーチ調べ、関東地区)。

 昨年9月まで「報道ステーション」のキャスターを務めたものの4月にテレ朝を電撃退社。直後にライバル局の看板ニュース番組のメインキャスター就任という異例の移籍を遂げた小川アナにとって、そして、TBSにとって、文字通り「期待はずれ」という現状。編成担当の伊佐野英樹取締役は席上、今後の打開策について、「演出という面ではいろいろ試しながら日々変わっていく面もありますので、10月以降、どのように変わっていくかを見守っていただけたらと思います」と前向きに話したが、今のところ、明るい展望は見えない。

 それでも、トップが「全く不十分」とまで言ってしまうのは、どうなのだろう―。そう私は思った。同時に記憶は、5月29日の同局の定例会見でのやり取りにまでさかのぼった。

 その際、小川アナのキャスター抜擢について、「『NEWS23』は小川彩佳さんを迎えて、一新します。新しい取り組みで夜の視聴者を獲得したいと思います」と歯切れ良く話した佐々木社長。起用の理由についても「私からは期待しかありません。小川さんはジャーナリストとして、しっかりしている。『NEWS23』の顔になっていただいて、夜のニュースゾーンを引っ張っていただくのに、ふさわしい方だなというふうに思っています」と絶賛していた。

 だが、3年前、同様に“三顧の礼”を持って番組に迎えたはずの雨宮塔子アナ(48)を降板させてまで、ほんの1年前までライバル局の、それも同時間帯ニュース番組のキャスターを務めていた小川アナを抜てき。そのこと自体に、やや違和感を覚えていた私は、その場で聞いた。

 「小川アナは昨夏までライバル局の看板ニュース番組でキャスターを務めていた。退社から抜てきまでの、このスパンの短さが気になる。そもそもTBSは、いつ白羽の矢を立て、オファーを出したのか?」―。

 マイクを持った合田隆信編成局長は「交渉の細かい過程については説明を差し控えさせていただきたいと思います」とだけ答えた。それはそうだろう。もし、「報ステ」出演時、もしくは降板直後から狙いを定めていたのなら、人気アナの“引き抜き”にもつながるわけで、局の幹部が軽々に答えられる質問ではなかった。

 だが、疑問はもう一つあった。なぜ、わざわざ、ライバル局の元看板アナを抜てきするのか。前任の雨宮アナも99年にTBSを退社した“出戻り組”だったように、能力もあり、人気も高いTBSの現役女子アナの中から選抜して「NEWS23」のキャスターに据えるという手はなかったのか。

 当時、同局は1月末で退社し、フリーとなった吉田明世アナウンサー(31)に続き、宇垣美里アナ(28)も3月末で退社と人気アナの早期退社が目立っていた。そんな動きも気になっていただけに「TBSが自前で育て上げたアナウンサーこそが『NEWS23』の顔になるべきではないか?」とも聞いてみた。

 この時、合田局長は「そのようなことが(小川アナのキャスター就任を巡る)報道などでもあるかと思いますが、私どもとしては新しくお迎えする小川アナで『NEWS23』をリニューアルして頑張っていく。それだけです」と答えていた。

 その時、私が感じ取ったのは、TBSの「どうしても夜のニュース戦争に勝ちたい」という闘志だった。

 番組表で隣に並ぶ競合番組に勝つためには、ほんの少し前までライバル局の看板ニュースの顔だった小川アナの登板も戦法として、当然、あり。キー局間の争いは、それこそ手段を選ばない“仁義なき戦い”に突入していると思った。

 この戦いに、やや寒々としたものを感じた私は即座に「メインキャスターも消耗品?…TBS『NEWS23』抜てきの小川彩佳アナの未来は」と題したコラムを報知WEBにアップした。多くの賛否のコメントが集まったが、それから4か月が経過した今、視聴率という、どこかあいまいな数字が全てを決める戦いの結果が早くも出ようとしている。

 あれほど持ち上げられた小川アナが4か月後の今、「全く不十分」と局のトップに言われてしまうことの怖さ。まさに「消耗品」として消費されかねない怖さ。それこそが明日すら分からない夜のニュース戦争の激烈な現場が生み出したものだった。

 このまま「NEWS23」の視聴率が上がらなかった場合、“番組の顔”である小川アナが、その責任を背負わされ、あっさりと番組から去ることもあるだろう。厳しいようだが、数字がすべて。それこそが現実だ。その時、1年前、どこか不本意な形で「報ステ」を去った小川アナは、今度はどんな決断を下すのだろうか。

 この日、私は冷徹そのものの民放キー局の視聴率争いの論理に一瞬、ぞっとさせられた。続けて脳裏に浮かんできたのは、テレビ画面でおなじみの小川アナの笑顔の少ない、どこか思い詰めたような、真面目そのものの表情だった。(記者コラム・中村 健吾)

 ◆テレビ各局午後11時台のニュース番組の女性キャスター

 ▽NHK「ニュースきょう一日」 井上あさひ(38)

 ▽日本テレビ「news zero」 有働由美子(50)

 ▽「報道ステーション」 徳永有美(44)

 ▽TBS「NEWS23」 小川彩佳(34)

 ▽テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」 大江麻理子(40)

 ▽フジテレビ「Live Newsα」 三田友梨佳(32)

 ※「ニュースきょう一日」は午後11時20分、「報道ステーション」は午後9時54分、「Live Newsα」は午後11時40分開始。

6月からTBS系「NEWS23」のメインキャスターに就任したものの苦戦が続く小川彩佳アナウンサー
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