これぞ真のプロ 阪神・西の貢献度

9勝8敗、防御率3・01以上の貢献度があった阪神・西
9勝8敗、防御率3・01以上の貢献度があった阪神・西

 今年も夏が終わろうとしている。暑い日本の夏は投手陣にとって厳しい季節。しかし、今季FAで阪神に加入した西勇輝投手(28)はいつものように高いパフォーマンスを発揮し続けた。

 移籍1年目。ここまで25試合に登板し、9勝8敗、防御率3・01。こだわりを見せる投球回はキャリアハイとなる167回1/3に達している。特に後半戦は10試合で6勝1敗。チームは西の登板試合で9勝1敗と、CS争いの原動力になったことは間違いない。引退を表明したメッセンジャーら先発陣が手薄な中、貢献度は数字以上に高い。

 今季から本拠地は空調の効いた京セラDから甲子園に変わった。これまでとは違い、練習中から容赦ない日差しが選手たちを照りつけ、体力は消耗する。右腕はどのようにして残暑を乗り越えたのか。疲労回復のためのサウナ以外にも、こだわりがあった。

 〈1〉飲み物は常温で 夏は冷たいものがおいしい時期。それでも体のことを思って原則的には我慢する。「冷たい飲み物、基本的には氷を入れてあまり飲まないようにしようかなと思ってます」

 〈2〉寝る時は除湿で ひと昔前は冷房を使用しないで寝ることもあったというが、回復には睡眠が第一。冷房ではなく除湿機能にして気温を26~27度程度に設定。寝やすいようにしてたくさん寝る。「この時代、暑いから寝付けない方が悪いと思う。寒すぎないというか、心地いいくらいで寝る」。その中でも、肩肘を冷やさないように寝る時は必ず長袖。「それはもう年中変わらず、寝る時は」と意識は高い。

 〈3〉練習量は感覚で 登板日以外の先発投手はランニングなどで試合に備える。立っているだけで汗が噴き出るような真夏はダッシュの本数などを自分の感覚で調整。試合に最高のコンディションで臨めるように準備している。「(量は)最低限決めて、あとはフィーリング。その日その日の体にもよるし」

 背番号16の元には、たくさんの若手が質問に訪れる。2年目の今季、5月下旬からローテに定着した高橋遥も“弟子”の一人だ。「西さんはあれだけの実績がある方なのに、向こうからも話しかけてくれる。先輩ですけど、そこまで年も離れてはないですし、話しやすいです」。今季は練習法などの助言を受け、来季以降の飛躍への足がかりを作った。

 西はいつも「若手に近い存在でありたい」と話す。積極的に聞いてくる後輩には、自らの経験を惜しげもなく伝える。阪神を強くしたいという気持ちが自然とあふれている。150キロの直球はない。だが、多彩な球種をコーナーに操る圧倒的な制球力がある。2019年。今や高校生が160キロを投げる時代だが、右腕のような投手をプロフェッショナルと呼ぶのだと思う。(記者コラム・中村 晃大)

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