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ラグビーW杯開会式、着物を通じてノーサイド精神を全世界に発信…「和の心」で示す異文化への敬意

スポーツ報知
開会式では世界各国の着物姿に身を包んだモデルたちが手と手を繋ぎ、開幕を彩った(C)KIMONO PROJECT Kengo Maeda

 ラグビーのワールドカップ日本大会が開幕し、全国に大きなうねりを巻き起こしている。20日に東京・調布市の東京スタジアムで行われた開会式は、「日本らしさ」を意識した演出で好評を博したが、中でも「竜馬四重奏」の楽曲とともに参加各国が日本の伝統文化である着物で紹介されていく光景は華があり、世界の人々からも感動の声が上がった。

 これらの着物は「世界はきっと、ひとつになれる」「想像してごらん、国境のない世界を」を理念に掲げる一般社団法人「イマジン・ワンワールド」の「キモノプロジェクト」が制作した。同プロジェクトは200を超える世界各国のイメージをそれぞれ描いた「KIMONO」を制作している。確かな腕を誇る日本の制作者が、各国へのリスペクトを込めて丹念に作り上げたものだ。

 例えば、ロシアの「KIMONO」はエルミタージュ美術館や火の鳥をつかむイワン、白鳥の湖、ソユーズなどの宇宙船をモチーフにしている。イタリアは、ルネサンス建築様式のアーチの中に、数々の美しい風景を写し込み、帯にはスーパーカーのヘッドライトをデザイン。カナダの「KIMONO」は赤毛のアンの舞台、プリンスエドワード島の美しい花々が描かれ、トンガはハイビスカスとプルメリアが一面に咲き誇る南国の島国らしさを醸し出し、空と海の美しい青色が染められている。

 これらの着物を身にまとうモデルは日本人だけでなく、大半が外国人。これにはラグビーの持つ「ノーサイド精神」を発揮して、モデルはあえて自らの出身国と異なる国の「KIMONO」を着用することで、それぞれの文化に敬意を表する-という思いが込められている。

 開会式では参加各国の着物に身を包んだモデルたちが手と手をつなぎ、一つになった。包容力にあふれた「KIMONO」を通じて、日本らしい「和の心」が全世界に発信された瞬間だった。

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