【MLB】ヤストレムスキー、聖地で祖父と孫の絆

ヤストレムスキー、聖地で祖父と孫の絆
ヤストレムスキー、聖地で祖父と孫の絆

 レッドソックスの本拠地フェンウェイ・パークで、17日(日本時間18日)、3世代に渡る野球一家の歴史が刻まれた。ジャイアンツとの交流戦3連戦の初戦。ジ軍の新人、マイク・ヤストレムスキー外野手(29)が、殿堂入りの祖父・カール氏(80)が23年間プレーした聖地で「1番・左翼」でデビュー。祖父が237本塁打を放ったフェンウェイ・パークで、4回にセンターへの20号ソロを放った。

 マイクは「結果を出さなければ、(9月の)ボストン戦に帯同できないと、ずっと言い聞かせてきた」。6年間マイナーに在籍したオリオールズから、3月にジャイアンツ移籍。5月のメジャー昇格以来、延長15回を戦ったこの日の成績を含め97試合に出場し、打率2割6分6厘、20本塁打、52打点。マサチューセッツ州育ちの遅咲きルーキーにとって、今回のボストン・シリーズは大きなモチベーションだった。

 メンバー紹介で36年ぶりに、親しみある名前が呼ばれると客席からは拍手が沸き、本塁打の瞬間には、相手チームの一発ながら、スタジアムは大歓声に包まれた。応援に駆けつけた家族や友人はもちろん、往年のレッドソックスファンも、全米の野球ファンも、それぞれの歴史を重ねて祝福した。

 「この地方に育った人間として、この日を生涯、夢に見てきた。ここでプレーすること自体クールなことだけれど、それは、プロとして対処できる。ただ、フィールドに来ると、自分が客席にいた頃の思い出が蘇って圧倒された。ワールドシリーズや99年のオールスターゲーム、家族と観戦した数々の試合…。ここは、僕にとって思い出が詰まった場所だ」

 物心ついて、ボストンの英雄である祖父の存在の大きさに気付いた。ヤストレムスキーという名字だけで、周囲の反応が違った。「23歳になった時、祖父が23年間、大リーグでプレーしたという事実に、がく然とした」。1967年の三冠王、オールスター戦出場18度、ゴールドグラブ賞7度、3419安打、452本塁打…輝かしい祖父のキャリアは今更、説明するまでもない。父・カール・マイケル・ジュニア氏もプロ入りしたもののメジャー昇格は出来ず、15年前に手術中の血栓が元で43歳で死去。祖父にとっては息子が果たせなかった夢を、孫が叶えた格好だ。

 試合前、左翼フィールドを一緒に歩き、グリーンモンスターの前を守る攻略法を伝授した祖父は、自分への注目や孫への重圧を少しでも軽減しようと、試合前にそっと球場を去った。テレビの前で、誇らしくも幸せな時間をかみしめたことだろう。

(ボストン=一村 順子通信員)

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