羽生結弦、4回転半どころじゃない5回転跳んだ

練習する羽生結弦
練習する羽生結弦

 【オークビル(カナダ)12日=高木恵】フィギュアスケートのオータムクラシックで今季初戦を迎える男子五輪連覇の羽生結弦(24)=ANA=が12日、公式練習後に取材に応じ、4回転半ジャンプ(クワッドアクセル)の回転力向上のために5回転ジャンプの練習を取り入れたことを明かした。

 またもや想像を超えてきた。半年ぶりの競技会のリンクで明らかになったのは、羽生の天井知らずの向上心だった。5月に左足首を負傷した経緯について説明。その際に衝撃の発言が飛び出した。「5回転サルコーの練習をしていて」。耳を疑う報道陣に対し、笑みを浮かべながらもう一度言った。

 「5回転サルコーの練習をしていて。足が引っかかって捻挫した。アクセルを練習するためにもっと回転力を上げたいと思って5回転の練習をしていて」

 現在は基礎点さえ存在しない人類の夢の5回転ジャンプは、ハーネス(体をつり上げる補助器具)を用いてサルコーとトウループを跳んでいる。

 夏前のことだった。コーチのジスラン・ブリアン氏に「次のセッションで5回転トウループをやるから」と宣言。「冗談だろ?」と半信半疑の同コーチの前で、2回目のトライで降りたという。「ハーネスを持っている人は『僕は何も手伝っていない』と言った。僕のコーチ人生で5回転トウループをやるやつを見るとは想像もしていなかったよ」と同コーチを驚かせた。

 アクセルジャンプに強いこだわりをもつ羽生は、18年平昌五輪後からクワッドアクセルをモチベーションに掲げていた。オフに取り組み「感覚はちょっとずつよくなっている」。3か月前に中断し、今大会に向けてプログラムを滑り込んできた。「(投入は)今季目指したいなとは思っている。今のところは。ただ、そのためには今の構成で自分が満足する滑りをしなきゃいけない」。この日の練習ではルッツ、ループ、サルコー、トウループの4回転ジャンプを着氷した。

 2季連続でSPは「秋によせて」、フリーは「Origin」で勝負することも明かした。右足首を負傷した昨季は世界選手権で2位に終わった。「まだ自分の中で完璧といえるものができていないことがすごい心残り。このプログラム自体を負けたままで終わらせたくないなという気持ちがすごくあった」。思い入れの強い演目と共に、五輪王者の挑戦は続いていく。

 ◆ユヅに聞く

 ―4回転ルッツを跳んでいた。構成に入れるのか。

 「SPの結果次第と、あとは体調やコンディション次第で考えていく」

 ―4回転フリップは練習しているのか。

 「3回くらい降りている。フリップ―アクセルとかも降りている」

 ―試合での挑戦予定は。

 「やりたいなとは思っているけど、僕のフリップに加点がつくかというと、そこまでして無理して入れる必要はないかなと」

 ―昨季はこの試合を終えて「炎がともった」と言った。今季この大会を迎える心境は。

 「気持ちがずっと切れていない。世界選手権は昨季のことかもしれないけど、けがをしてから世界選手権まで時間が空いたというのがあって、あの時点から今季が始まっていたという感覚。あの試合からずっと続いている気持ちがある」

 ―左足首の状態は。

 「ここ4週間くらいで痛み止めの飲み薬をやめることができた。やっとよくなってきた」

 ―今季はどういうシーズンに。

 「とにかく健康で1シーズンを滑りきりたい」

 ◆羽生とジャンプ 4回転はアクセルを含む6種類のうち、国際スケート連盟(ISU)公認大会でルッツ(基礎点11.5点)、ループ(10.5点)、サルコー(9.7点)、トウループ(9.5点)の4種類を決めている。ルッツは17年10月のロシア杯フリーで初挑戦で成功。同年11月のNHK杯の公式練習で跳んだ際に右足首を痛めて以降は封印してきた。基礎点が12.5点と最も高いアクセルを決めれば、16年10月のオータムクラシックでのループに続く史上初の成功者になる。

スポーツ

報知ブログ(最新更新分)

一覧へ
NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 マガジン報知 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請