関取最年長37歳・嘉風が引退 小さな体で真っ向勝負「敢闘精神あふれる力士」常連

引退を発表した嘉風
引退を発表した嘉風

 16日会見 関取最年長37歳で元関脇の十両・嘉風が、本紙既報通り現役を引退した。秋場所5日目の12日、日本相撲協会に引退届を提出。理事会で年寄「中村」襲名が承認された。16日に引退会見を行う予定。今後は尾車部屋の部屋付き親方として後進の指導に当たる。幕内・朝乃山は横綱・鶴竜に土をつけて初金星。全勝は1場所での大関返り咲きを目指す関脇・貴景勝と平幕の隠岐の海だけとなった。

 嘉風が土俵人生に別れを告げた。6月の故郷・大分合宿中、右膝の大けがで緊急手術。2場所連続の全休が決定的となり、九州場所(11月10日初日・福岡国際センター)での幕下転落は避けられない状況だった。現在も三重県内の病院で懸命なリハビリを続けているが、11日に師匠・尾車親方(元大関・琴風)に「先が見えない状況です。年齢も年齢なので引退します」と申し出た。腹を決め、涙はなかったという。

 この日、協会に引退届を提出した同親方は「悔しがっていました。土俵で散りたかったと。網膜剥離を患っても『大丈夫』と言ってきた力士。けがは予想以上にひどかった」。今場所初日(8日)に公表された診断書は「右膝前、後十字じん帯損傷、右ひ骨神経まひ」などで全治は未定。大けがを乗り越えるべくこの3か月、最善を尽くしたが、土俵に戻ることがかなわないままとなった。

 177センチ、148キロ。現在、幕内平均体重が162キロを超え、力士が大型化する中、小さな体で巨漢に真正面からぶち当たった。来場者が選ぶ「敢闘精神あふれる力士」の常連だった。04年初場所の初土俵から積み上げた649個の白星。17年秋場所、昭和生まれ最年長となる35歳5か月で関脇に返り咲いた。「誰も抜けないかもしれない」と大関昇進の昭和以降年長記録(34歳0か月の鏡岩)への挑戦を公言。師匠も「伸びてきたのは30歳手前。『大関になります』が口癖だった。夢ではなく本気でね」と明かした。その向上心も、相撲ファンの胸を打った。

 16日の引退会見は一時退院して、支えてくれた2人の子供、家族にも感謝を伝える。(小沼 春彦)

 ◆嘉風 雅継(よしかぜまさつぐ)

 ▼生まれとサイズ 1982年3月19日、大分県。37歳。本名は大西雅継。177センチ、148キロ

 ▼出身校 日体大3年時にアマ横綱

 ▼初土俵 尾車部屋から2004年初場所

 ▼新入幕 06年初場所

 ▼最高位 関脇

 ▼通算成績 649勝642敗30休。現役5位の1288回出場

 ▼幕内在位 79場所(現役3位)

 ▼三賞 殊勲2、敢闘4、技能4(計10回は現役3位タイ)

 ▼金星 8個(現役1位タイ)。18年初場所で横綱・白鵬(4日目)、稀勢の里(5日目)=同右=を下し、通算2度目の2日連続金星は戦後初の快挙だった

 ▼得意技 突き、押し

 ▼スポーツ歴 相撲、水泳

 ▼家族 妻と1男1女

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