中井貴一、俳優人生38年で初の総理大臣役「人生で一度呼ばれてみたかった」 三谷監督と9度目のタッグ

子供の頃の夢を「植木屋さん。俳優には絶対ならないと思っていた」と振り返った中井貴一
子供の頃の夢を「植木屋さん。俳優には絶対ならないと思っていた」と振り返った中井貴一
豪華キャストがズラリと顔をそろえる「記憶にございません!」
豪華キャストがズラリと顔をそろえる「記憶にございません!」

 俳優の中井貴一(57)が主演する映画「記憶にございません!」(三谷幸喜監督)が13日に公開された。記憶喪失になった総理大臣を演じるコメディー。「人生で一度、『総理』と呼ばれてみたかったんです」と笑いながら明かしつつ、コメディーへのこだわり、同学年の三谷監督との関係性、母校・成蹊大学の先輩・安倍晋三首相(64)との交流についても語った。(土屋 孝裕)

 俳優人生38年で初の総理大臣役。聴衆に「うるせえ!」と言い放つ超不人気総理が、市民の投げた石が当たり記憶喪失に。周囲の反応に戸惑いながら、過去の自分が失ったものを取り戻していく。

 「子供の頃は、将来の夢が総理大臣って子がクラスに5人ぐらいはいたんです。今は、大変だとは理解しても夢にはならなくなってしまった気がする。でも人生で一度は『総理』って呼ばれてみたくないですか?子供の頃、夢の中で出会った総理大臣を映画の中で出せたらな、と思って引き受けました」

 三谷監督とは、監督が脚本を書いた91年のフジテレビ系「天国から北へ3キロ」に主演して以降、9回目の顔合わせ。2人が好きな米コメディアン、ダニー・ケイが出演するようなコメディーを作りたいと以前から話していた。

 「コメディーをやる時には必ずその中に悲劇を探すんです。雨の日が続けば晴れの日の尊さが分かるように、対比があるからこそ面白くなる。三谷さんの作品はそのバランスが好き。同学年ですし『あの感じ?そうそう、こういう感じ』という会話が成立するのは楽ですね」

 阿吽(あうん)の呼吸で仕事ができる仲だが、プライベートで付き合うことはないという。

 「なれ合いになるのが嫌なんです。三谷さんもそうだと思う。お互いに新鮮で、魅力のある人間でいようと努力して、組んだ時にいい仕事ができれば。お客さまに夢を与える同志でいたいんです」

 俳優同士での付き合いも少ない方だと自認しているが、本物の総理大臣である安倍首相とは故・津川雅彦さんを通じて出会い、食事をする仲だ。

 「第1次政権の後、津川さんから『今度一緒に食事をするんだけど(成蹊大の)後輩でしょ? 一緒に来てよ』と言われたのがきっかけです。その後も『後輩は参加しないとダメでしょ』と。津川さんは本当に安倍さんのことをお好きで、第2次政権が始まった時、『あの人は多分、日本で一番長い間、総理をやる』って予言してました」

 安倍首相も役作りの参考にしたのだろうか?

 「いえ。参考にした総理は全くいないです。(現実とは)別物として捉えていたので。そもそも支持率2・3%の総理大臣なんているわけないですから」

 公開を控えた先月2日にも食事会を行い、11日には安倍首相が試写を観賞した。

 「先輩、僕、総理をやっておりまして、ぜひご覧になってくださいと言ったら『ちょうど見たいと思っていたんですよ』と。安倍さんは映画やアニメなど日本の文化が世界に通じる武器だと分かっている方だと思います。感想は聞いていませんが『(冗談で)記憶にございません』って言ったようなので、今度会ったらそう言われるんでしょうね」

 中井自身、世間の好感度は高く知名度は抜群。これまでに政治家転身のオファーもあったのでは?

 「全くないです。本当に一回もない。この映画で総理をやらせていただいたので、僕の政治家人生はこれで終わったんじゃないかと」

 エネルギッシュに活躍しているが、2021年には還暦を迎える。引退について考えることもあるという。

 「役者は仕事がなくなったら自分の気持ちにかかわらず、引退なんです。セリフが覚えられない、言えなくなった時に醜態をさらしても続けたいかと言われれば、足を洗いたい気持ちはあるけど、引退を自発的に考えなくてもいい商売なのかなと。気がつくと現場で年齢が一番上という感じですが、今はオファーがある間は続けることも大事なんじゃないかと思ってます」

 三谷幸喜監督「この作品はある意味で中井貴一ショー。中井さんの面白いところ、シリアスなところ、シリアスなようでふざけてるところ、ふざけてるようで真面目なところ、その全てが入っています。世間の方がまだ知らない中井さんの新たな一面を、この映画で伝えられたらと思っています」

 ◆「記憶にございません!」

 国民から嫌われ、史上最低の支持率2・3%を叩き出した総理大臣が、一般市民の投げた石に当たり記憶喪失に。悪徳政治家から一夜にして純朴なおじさんになってしまうが、記憶を失ったことを隠し、3人の秘書官のサポートを受けながら理想の政治と向かい合っていく。三谷監督の8作目となる長編映画。ほかにディーン・フジオカ、石田ゆり子、草刈正雄、佐藤浩市らが出演。

 ◆中井 貴一(なかい・きいち)本名同じ。1961年9月18日、東京・世田谷区生まれ。57歳。成蹊大在学中にスカウトされ、81年に映画「連合艦隊」でデビュー。83年にTBS系ドラマ「ふぞろいの林檎たち」で人気となり、88年のNHK大河ドラマ「武田信玄」主演。94年「四十七人の刺客」で報知映画賞助演男優賞、2003年公開の「壬生義士伝」で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。父は俳優の佐田啓二。身長181センチ、血液型A。

子供の頃の夢を「植木屋さん。俳優には絶対ならないと思っていた」と振り返った中井貴一
豪華キャストがズラリと顔をそろえる「記憶にございません!」
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