悪名は無名に勝る…毒舌・立川志らくはTBSの朝の顔になれるのか?

「グッとラック!」MCとしてTBSの朝の顔になる立川志らく
「グッとラック!」MCとしてTBSの朝の顔になる立川志らく
国分太一とともに「ビビット」を“卒業”する真矢みき
国分太一とともに「ビビット」を“卒業”する真矢みき

 この秋、TBSの朝の顔になる落語家・立川志らく(56)に注目が集まっている。

 TOKIOの国分太一(44)が真矢みき(55)とともに4年半MCを務めてきた朝の情報番組「ビビット」(月~金曜・前8時)が9月末で終了。30日から志らくがMCを務める「グッとラック!」がスタートする。

 さわやかな笑顔のジャニーズアイドルから同局系「ひるおび!」(月~金曜・前10時25分)でおなじみの毒舌コメンテーターとして炎上すれすれの発言連発で知られる落語家へのMC交代劇。ネット上では早くも「朝から説教くさいのは、どうなの?」「さわやかな朝とは真逆のキャラクターでは…」などの辛辣な意見も上がっている。

 10日、東京・赤坂の同局で開かれた10月番組改編発表会見でも、この番組への質問が集中。まさに「志らく祭」のような40分間となった。

 瀬戸口克陽編成部長は「グッとラック!」について、「しっかりと朝からファミリーコア(Fコア、男女13~59歳)の皆さんに振り向いてもらえる番組作りをしたい」と気合の一言。

 三島圭太編成部企画統括も「4年半ぶりにTBSの朝の顔が変わります。視聴者の最大関心事を正面から伝えるのが帯番組。扱う素材は一緒でも、どう伝えるか、どこにポイントを絞るかに各局の個性が出る。だからこそ番組の売りは、志らくさんが時の最大関心事に対してどういうことを言うか。どう歯に衣着せず、うそのないコメントで切っていくか。思ったことを正直に言っていただくことで視聴者の関心を引く。この一点に尽きると思います」と大きな期待を寄せた。

 質疑応答の最初の質問も志らくの起用理由だった。「『ひるおび!』でも非常にウソのない正直なコメントでネットニュースになったり、時には世間をざわつかせる発言をされたり―。その良さは忖度せず、いろいろなことを正直にお話し下さるところ。番組全体の作りからも、Fコア層にアピールするのに適任だとオファーさせていただきました」と率直に答えた三島統括。

 私も続けて聞いてみた。「今までがさわやかな国分さんだっただけに、志らくさんのあくの強い発言が時には炎上につながることもあるのでは?」―。

 マイクを握った三島氏は「朝は視聴習慣というものが強く出る枠。朝起きて、そんなに強い意志でなく、チャンネルを選んでいるという方が多いというデータもあります」と分析した上で「まずは話題になることこそ大事。『おっ、こういうのが始まったんだ』と気にしていただけることが、まずはスタートと思っています。今回、『グッとラック!』への質問が多いことこそありがたいこと。一番良くないのは好きでも嫌いでもないってこと。注目されているということは、すごく上に上がっていくチャンスがあると思っています」と答えてくれた。

 その瞬間、私の頭に浮かんだのは「悪名は無名に勝る」という言葉だった。志らくが悪名で名高いなんてことではなく、たとえ悪評であったとしても、まるで世に知られていない状態よりはずっと良い―。三島氏が言いたいことは、そういうことだろうと私は思った。

 だからこそ、その答えに「全く同感だな」と思っていると、続けてマイクを持った編成トップの合田隆信編成局長も「やはり皆さんに覚えてもらう。スポンサーさんに気にしてもらう。そのためにはオリジナリティーとか個性とか、みんなに引っかかっていく番組こそ増やしていきたい。なんとなく面白いけど、なんとなく誰が見ているか分からないなという番組よりも『あっ、あの番組、俺は好き、俺は嫌い』と言う個性があるなという番組を増やしていくことこそ、将来に向けての展望、道を開くことだと思っています」と熱く話した。

 そう、とにかく世間の耳目を集め、話題になることこそ今のテレビ界では大事だ。他局の番組だが、8日の最終回で平均視聴率19・4%をたたき出した原田知世(51)と田中圭(35)主演の日本テレビ系ドラマ「あなたの番です」も最初こそ、「毎週、人が死に過ぎ」「登場人物が多すぎて覚えられない」などなど悪評があふれた。しかし、放送が進むにつれ、その“中毒性”でネット上に真犯人を推理する「考察サイト」が乱立。最終的には今年のドラマ中、最大のヒットを記録してしまった。

 世間の耳目を集め、ヒットにつなげるためには“毒舌MC”による「炎上」だって一つの手段。プロの作り手たちは、そこまで考えていると私は見る。

 問題は一つだけ、志らくは月~金曜のMCを務めた上で、そのまま後番組「ひるおび!」のレギュラーコメンテーターも継続する。まさに「TBSの朝の顔」として、日々の殺人的スケジュールが待つことになるが、この点について、三島氏は「物理的にスタジオの移動が間に合わないということは分かっています。そこをどうするか、現在、検討中です」と答えた。

 まさにTBSの朝を駆け巡る形の志らく。歯に衣着せぬ毒舌落語家に社運をかけたTBSの挑戦は吉と出るのか。答えは、もうすぐ出る。(記者コラム・中村 健吾)

 ◆立川 志らく(たてかわ・しらく) 1963年8月16日、東京・世田谷区生まれ。56歳。1985年、日大芸術学部在学中に故・立川談志に入門。88年、二つ目、95年、真打ちに昇進。二つ目時代は、兄弟子・談春とコントグループ「立川ボーイズ」を組んで活動。映画と古典落語を合体させた「シネマ落語」も創作。書評や映画評も執筆し、映画、演劇の作、演出、監督を務めるなど落語以外でも才能を発揮。コメンテーターとしてのテレビ番組出演も多数。著書に「全身落語家読本」「らくご小僧」など。

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