編成最高責任者の解任で揺れるレッドソックス 米国にもある本音と建前の文化

8日に解任されたレッドソックスのドンブロウスキー編成最高責任者(ロイター)
8日に解任されたレッドソックスのドンブロウスキー編成最高責任者(ロイター)

 8日にレッドソックスのドンブロウスキー編成最高責任者の解任が発表された。一夜明けた9日(日本時間10日)も、その衝撃に球団は揺れた。

 ヘンリー・オーナーら首脳陣3人のコメントを含んだ文書を公開したが、いずれも在職中の功労を讃えることに終始。ワールドシリーズ優勝から1年も経過せずに、任期1年を残しての解任に至った理由や経緯についての説明は一切なく、今後のオーナー側のメディア対応は「ない」と明記されていた。

 通常より1時間遅れで始まったコーラ監督の試合前会見で「解任の理由の説明はあったか」「首脳陣が対応すべき会見を押しつけられたと思うか」「期待値が高すぎると思うか」などと質問が飛んだが、立場を考えれば、オーナーに批判的なコメントが出るはずはなく、慎重に言葉を選びながらの模範解答に終始した。

 「新たな方向に進むというオーナーの決断をリスペクトする。これは、この世界の宿命。ボストンはファンの期待が大きく、ハードルの高さは重圧になる一方で、この球団を特別なものにもしている。我々現場は、自分たちができることに全力を尽くすだけ。それは、まず、今日の試合に勝つことだ」。

 一方、ドンブロウスキー氏が一部地元メディアに伝えた表明では「偉大な野球の街、ボストンでの日々はエキサイティングだったが、今年は望んだ結果に至らなかった。オーナーが選んだ決断を尊重したい」と、恨み辛みない大人の対応だった。

 本音と建前は日本の文化のようにも言われるが、米国でも、特に解任や戦力外通告などの会見では、よくある光景だ。むしろ、それを上手く使い分けてこそ、一流のメディア対応と評価される節がある。だからこそ、コーラ監督が「監督経験のない私を抜てきしてくれた。今の自分があるのは、ドンブロウスキーのお陰」と私情を漏らした時は会見場がしんみりとなった。

 改めてメジャーは厳しい世界だ。ヘンリー・オーナーは過去にもチェリントンGM、フランコーナ監督ら世界一の功労者と、事実上の解任と言える切り方で袂(たもと)を分かち、首脳陣を活性化した。それが、今世紀4度の世界一の結果に繋がってきたが、もっと負け越している他球団があるなか、ワイルドカードでのポストシーズン出場の可能性がわずかに残った時期の解任劇に、首筋が寒くなる思いがした関係者がいるのではないだろうか。

 (ボストン=一村 順子通信員)

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