17歳JKプロサーファー松田詩野、五輪切符ほぼ手中「CT目指してきたけど、今は五輪もすごい出たい」

スポーツ報知
松田詩野

◆サーフィンワールドゲームズ第3日(9日、宮崎市・木崎浜海岸)

 17歳の松田詩野が条件付きで20年東京五輪の出場権を獲得した。4回戦で1組3位となって5回戦進出を逃したが、敗者復活戦6回戦1組を2位で勝ち上がった。同7回戦2組は4位で大会を終えたが、出場要件の一つであるアジア最上位となることが決まった。最後までアジア最上位を争った前田マヒナ(21)は同6回戦3組で4位に終わり、敗退。脇田紗良(16)は同4回戦で姿を消した。

 松田が五輪切符をほぼ手中に収めた。WG初出場でプロ最高峰チャンピオンシップツアー(CT)の選手にも勝利するなど目覚ましい活躍を見せ、アジア最上位の15位となり条件付きで代表に内定。「勝てたことを自信にしたい」。来年のWGで6位以内に別の日本選手が2人以上入らないことが条件となるがハードルは高く、17歳で五輪の舞台に立つことが濃厚となった。

 両親の影響で小学1年でサーフィンを始めた。自宅から徒歩5分の茅ケ崎の海で練習を重ね、14歳でプロ転向。ジュニア時代から世界を転戦してきた。現在は通信制の高校に通い、5月には五輪会場で行われたジャパンオープンで初代女王に輝き、シニアでは初めてのWG出場を決めた。

 今年に入り、練習や試合に臨む意識が変わった。練習は普段は2時間を2本。これまでは2時間海に入ったままで、意識していたポイントも時間の経過につれておろそかになりがちだったが、今は途中で映像をチェック。気になる時は20分おきに陸に上がることもあり、「前よりも練習の充実感がある」と実感する。

 世界基準の体づくりも飛躍を支える。中学3年の冬から森永製菓のサポートを受け、サーフィン選手で初めてウイダートレーニングラボで指導を受けるようになった。浅田真央さんや高梨沙羅ら他競技のトップ選手も通ったジムで個人トレーナーとサーフィンの動画を見ながら、体幹やスタミナなど「必要なところを一緒に考えている」。栄養士の指導で、練習直後にゼリーやおにぎりを食べるなど食生活にも気を配っている。

 夢はCT選手だが、五輪への思いも日増しに強まっている。追加種目決定時はまだ13歳。実感は湧かなかったが、周囲の反響や自身の成績が向上する中で「CTを目指してやってきたけど、今は五輪もすごい出たい気持ちが強い」。新種目のヒロイン候補となりそうだ。(林 直史)

 ◆サーフィン女子の東京五輪への道 出場枠は男女各20人で、各国・地域から最大2人が出場できる。出場要件は優先度の高い順に〈1〉19年末時点でCT各国3番手以下を除く上位8選手〈2〉来年のWGで既にCTで要件を満たした選手を除く上位6選手〈3〉今大会でアジア、欧州、アフリカ、オセアニアの各最上位。日本勢は女子のCT参戦者がいないため、松田は〈2〉の要件を別の2選手以上がクリアしなければ五輪代表に決まる。

 ◆松田詩野(まつだ・しの)

 ▽生まれ 2002年8月13日、神奈川・茅ケ崎市生まれ。17歳。

 ▽サーフィン 両親の影響で小学1年から始める。14歳でプロ公認を受け世界を転戦。17年から2年連続WSLアジアジュニア女王。19年ジャパンオープン初代女王。

 ▽MV 歌手・西野カナの「Girls」のミュージックビデオに出演。

 ▽趣味 映画観賞。「ミステリーとか意外に好きです」

 ▽特技 体が柔らかいこと。開脚「180度いけます」。

 ▽サイズ 身長157センチ。靴は23センチ。

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