東京、その後へ…若手空手家が思い描く5年、9年後の五輪への夢

プレミアリーグ東京大会で形5位に入賞した尾野真歩(カメラ・軍司 敦史)
プレミアリーグ東京大会で形5位に入賞した尾野真歩(カメラ・軍司 敦史)

 東京五輪で柔道、空手会場となる日本武道館が本番に向けた改修に入る。最後の大会となった先週末の空手の世界最高峰シリーズ第5戦「Karate1プレミアリーグ東京大会」では、世界のトップ選手が、スタッフが、それぞれプレ五輪として来年への予行を行った。

 東京五輪で実施種目に初めて加わる空手だが、出場するのは他競技同様、非常に狭き門だ。枠は最大で形(かた)、体重別組手3カテゴリー、合計4種目で男女各1人ずつ男女合計8人。来年4月6日の時点で、世界シリーズの成績を元に更新される「五輪番付」がそれぞれ最上位の選手が選ばれる。

 女子の形競技であれば“空手界の綾瀬はるか”として話題の清水希容(25)=ミキハウス=が現在世界ランキング2位と、五輪に一番近い位置にいる。

 この「五輪番付」に反映されるWKF(世界空手連盟)ポイントを1つでも増やそうと、何人もの日本人選手が世界を転戦している。中でも、清水より若い世代が年間100万円以上かかる遠征費をかけて目指しているのは、東京の先、24年パリ五輪や28年ロス五輪だ。

 慶大3年の尾野真歩(20)もそんな1人。兄を追って5歳から空手を始め、小学4年の時には悲願の日本一になった。高校時代(日大鶴ケ丘)はライバルの宇海(うがい)水稀(20)をどうしても破れず、高校総体、国体ともに準優勝と悔しい思いをした。しかし宇海が帝京大入学前から国際大会を追う姿に刺激を受け気持ちは世界に、「死にものぐるいで宇海に追いつかないといけないと思った。本格的に世界レベルを意識するようになった」と振り返る。

 OBらのバックアップを受け昨年からは年間11戦をフル参戦、そのおかげで尾野の五輪番付は日本人7番目の23位に。8日のプレミアリーグでは宇海の7位を上回る5位に入賞した。

 しかし現段階で、空手の24年パリ五輪での継続採用は厳しい。追加種目候補にブレークダンスなどが入った一方で空手は外れ、関係者が必死の交渉を行っている状況だ。最終決定は東京大会の実績をみて来年12月になるが、先行きは全く見えていない。

 「五輪だけが目標ではありません。世界に認められたいので(2年に1度の)世界選手権にも出たい。でも五輪の舞台へのあこがれはありますし、パリが(五輪に)残れば一番目指したいところ」と尾野。五輪で初めて空手が日本武道館で行われるまであと11か月。しかしその先の5年後、9年後をめぐるそれぞれの戦いは、すでに始まっている。(記者コラム・軍司 敦史)

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