ジャニー喜多川さんお別れ会「なぜ来たのですか?」長蛇の行列で聞いたファンの気持ち

ジャニー喜多川さんお別れ会の列に並ぶ大勢のファン
ジャニー喜多川さんお別れ会の列に並ぶ大勢のファン

 7月9日に解離性脳動脈瘤(りゅう)破裂によるくも膜下出血で亡くなったジャニーズ事務所社長のジャニー喜多川(本名・喜多川擴=きたがわ・ひろむ)さん(享年87)のお別れ会が4日、東京ドームで営まれた。自分は主にファンの取材を担当したが、ピーク時には東京ドーム6周分の参列者が列をなし、辺りに人がごった返した。

 「一般の部」開始2時間前の正午から会場にいたが、すでに入り口前の広場には、きっちり喪服を着た参列者がちらほら見受けられた。今回はタレントのお別れ会ではない。超有名芸能事務所の社長とはいえ、なぜそこまで弔問したいのか。その疑問を解決すべく取材した。

 祭壇に手を合わせた人たちに「なぜ今日来たのか?」と聞いてみると、取材した全ての人が「感謝したくて」と答えた。はるばる岩手県から来た40代の男性は「ジャニーさんのおかげで、(タレントの)みんなが世の中に出ることが出来て、僕たちに元気をくれた。だからこそ、『ありがとうございます』と伝えたかった」と目に涙を浮かべながら答えた。

 実際に「一般の部」の待機列に並ぼうと試みても、最後尾が全く見当たらないほど。何とか見つけて並ぶも、祭壇のある会場に入るまで約2時間かかった。列は東京ドームの敷地だけでは足りず、近隣の歩道にまで及び、ピーク時はJR水道橋駅の近くまで延びた。

 何とか会場に入れても、祭壇で手を合わせるまで約1時間かかった。しかもジャニー氏を拝めるのはたった30秒ほどだが、参列者は一心に手を合わせた。会場内では、参列者を退屈させないために、大画面のスクリーンで過去の各グループのライブ映像を流した。中には「何でこの時の映像なんだ」とぼやくファンもいたが、SMAPが5人で歌う「世界に一つだけの花」が流れると、待機列全員が画面を食い入るように見つめた。

 弔問客を飽きさせない工夫がなされていても、入って出るまでの時間は約3時間。滝沢秀明氏をJr.時代から追いかける30代女性は「待っている時も思い出話に花が咲いて、若返ったみたい。あっという間の時間でした」と声を詰まらせた。他にも「こういう言い方は不謹慎かもしれないが、ものすごい大きなファンミーティングに来ているみたいだった」と話す人もいた。

 入場すると、花びらをかたどったメッセージカードが参列者に配られた。手のひらくらいの物だが、小さい文字で、あふれる思いをびっしりと書き込んでいた。SMAPファンの40代女性は「ジャニーさんに感謝の気持ちを書きました。『私の大好きなSMAPを世に送り出してくれてありがとう』。本当に感謝しかない」と、涙交じりに出口に設置されたメッセージボックスにカードを入れた。

 お別れ会は午後8時に受付終了の予定だったが、収容人数と会場の撤収時間の都合で、締め切りは1時間前倒しの午後7時に変更された。想定の数を超える参列者が来たことによる緊急の措置だったが、突然の“門前払い”に会場の入り口前では「こんなことは予想できたことでしょ?」と不満が噴出。案内スタッフに抗議する様子も見られた。

 会社から直行したが、列に並ぶことすらできなかった会社員女性は「8時で予定を組んでここに着たのに。このやり場の無い気持ちをどうすれば…」と嘆いていた。同じく会社から訪れた女性ファンは「なんか並ぶことが出来ないみたいです。いったいどういうことだか理解できませんが…。メッセージカードだけでも書きたかった」と状況をのみ込めないようだった。それでも列は伸び続け、誘導員も「会場には入れませんが、気持ちの済むままにお並び頂ければ…」とお手上げだった。

 「ありがとうが言いたい」と集まった人たちによる、一生に一度のジャニー氏のお別れ会。亡くなってもなお、世界で一番優しい気持ちに包まれた時間だったのかもしれない。(記者コラム)

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