【第50回報知キス釣り選手権・SESSYACUP 第50期報知キス釣り名人戦】大野名人3度目の防衛…鳥取・弓ケ浜

名人杯と盾を持つ大野名人。3度目の防衛を果たして笑顔を輝かせた
名人杯と盾を持つ大野名人。3度目の防衛を果たして笑顔を輝かせた

 「第50回報知キス釣り選手権・SESSYA CUP」決勝大会は1日、鳥取・弓ケ浜で開催された。徳島、鳥取、愛知の各予選を勝ち上がった選手や昨年大会上位のシード選手、歴代名人など56人が参加。近場に的を絞った松井伸一選手(64)=キス研 愛知=が、見事に初優勝した。続いて行われた「第50期報知キス釣り名人戦」では、大野正浩・第49期名人(41)=北陸アカシアサーフ、石川鱚酔会=が、松井選手の挑戦を51―27で退け3度目の防衛を果たした。※成績はすべて尾数。

 晴れやかな笑顔が、ないだなぎさで輝いた。2時間の激闘を終え、1年ぶりに銀色の名人杯を抱えた大野名人。「今回もすごくプレッシャーを感じていた。勝てて、やっとホッとした」。鮮やかな快勝劇とは裏腹に、謙虚なセリフで喜びを表した。

 至近距離を攻め抜いた。まず3色(1色は25メートル)ほど沖にキャスト。オモリが着水した瞬間、素早くリールを巻いて1色あたりから仕掛けをなじませた。じっくり竿でさびいてアタリを待ち、波口まで引くと横に移動して角度を付け、さらに斜めに波打ち際をゆっくり引いた。同じ近距離狙いながら早いサイクルで数を伸ばした松井選手とは好対照。前半の4投目で11連、後半の7投目でも10連をマークした。手数の松井選手に対して連掛けの大野名人。ハイレベルなコントラストが、秋空の下で描かれた。

 鋭い観察眼に裏打ちされた戦略だった。「(選手権の)2回戦で波打ち際を泳ぐキスの群れを見た。できるだけ長い時間、波口に仕掛けをとどめて一匹でも多くのキスを掛けてやろうと思っていた」。さらに、波打ち際に黒い石が多いのを見て、黒いオモリを選択。「魚に違和感を持たせにくい上にアピール力もある」。日々、試行錯誤しながら自作した発泡オモリだ。群れが通過するラインに的を絞った“待ち伏せ作戦”で、勝利をたぐり寄せた。

 入念な準備も実った。「使い続けるとハリ先がなまる。掛けたキスをどうしてもばらしたくなかった」と、ほぼ1投ごとに仕掛けを交換。磨き上げた素早い仕掛け交換の技術、そして餌のチロリがキーポイントだった。「ちょうど1匹のチロリで仕掛け一つ分の餌になる。手返しの早さにつながった」。この時期に入手するのが極めて難しいチロリを3週間前から自宅で飼い、大一番に備えたのだ。

 第50期という節目での勝利。3度目の防衛に成功だ。第47回大会(2016年、福井・三里浜)で初出場ながら栄冠を手にして以来、着実に白星を重ねている。「一年一年、一生懸命にやるだけ。来年の勝利を目指して、一年間また精進する」。無敗の名人が、新たな時代を刻んでいく。(小谷 竜一)

 選手権は松井選手がトップトーナメンター56人の頂点に立った。1回戦はBブロックで我慢の釣りを強いられたが、数の出た決勝戦はとにかく手返しを重視。「トラブルがあっても生きているハリに餌をつけて2、3匹を稼ぐことを心掛けた」。10~12本バリの仕掛けを効率よく使いこなし、素バリが一度もないコンスタントさで58尾を積み上げた。

 釣り歴40年の大半がキス釣り歴と重なる。「遠くに飛ばす爽快感が何よりの魅力」。愛知の実力者として知名度を上げ、ジャパンカップ3位などの実績を持つ。名人戦はフグに苦しめられた後半に伸び悩んだが、「若い人に負けず、人より遠くに歩こうという気力が続く限り頑張る」と、大野名人への再挑戦を誓っていた。(竹村 聡)

 準優勝・高井純一選手(2尾差で優勝を逃し)「あと1投して走って帰ってきていたら…とも思うけど、その時間がなかった。精いっぱいやった」

 3位・健代利夫選手(17年ぶりの優勝には届かず3度目の3位)「いつも1番しかないと思って釣っているので悔しい。この悔しさがなかったら次がない」

 野村道雄・競技委員長「まだ海水温が高く魚が溶存酸素の多い場所を求めているのか、川のそばや波口で良い釣果が上がった。状況判断が難しいなかでも好成績を収めた選手は立派だった」

 この日の天候は曇り、微風。海はベタなぎという条件だった。大会本部は美保湾展望駐車場。海に向かって右側の約350メートルをAブロック、同じく左側の約350メートルをBブロックに定めた。1回戦と決勝戦を各120分ずつ実施。釣れたキスの大きさは平均14センチ前後で、25センチ以上の大型も交じった。

 【1回戦】午前7時に開始。抽選で28人ずつA、Bのブロックに分かれた。Aブロックは近場を中心にキスの活性が高く、歴代優勝者の瓜生浩二選手が49尾でトップ。2018年のSASAMEアスリートカップを制した山元隆選手が40尾、地元の強豪である健代利夫選手が34尾で続いた。一方、Bブロックは前日(8月31日)までの好調から一転。キスの魚影が薄く、釣果のない選手も出る状況で沢田孝治選手と大前勝紀選手が8尾でトップだった。各ブロック8位タイまでが決勝戦に進出。Aブロックから27尾以上の8選手、Bブロックからは3尾以上の13選手が1回戦を突破した。

 【決勝戦】Aブロックのさらに右側で行った。やはり近距離で釣果を伸ばす選手が多く、5選手が50尾を超えるデッドヒートを展開。手返しに勝る松井選手が58尾で逃げ切った。

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