◆巨人4―8中日(4日・前橋)
巨人に優勝への試練が訪れた。菅野が2回に5安打を浴びて4失点。下半身に異常が発生したとみられ、この回で降板した。次回の登板は今後の状態を見て判断されるが、メルセデスも不調で2軍落ちした中、先発陣が苦境に立たされた。今季5度目の4連敗で、サヨナラ勝ちした2位・DeNAに2・5ゲーム差に迫られた。優勝マジックの再点灯も7日以降になった。
まさかの事態が、エースに降りかかった。2回に4失点した菅野の“異変”は明らかだった。3回表に入る際、原監督はサバサバした表情でベンチを出てきた。球審に投手交代を告げた。背番号18の状態を、原監督は「正常ではないってことでしょうね」と説明。追い上げむなしく4―8で敗れたが、エースがアクシデントで早々に試合を去ったことが、黒星以上に重たい事実だった。
異変を感じた瞬間について、菅野は「詳しいことは言えない。正常ではないです」と多くを語らなかったが、2回に入った序盤だろう。最速は142キロ止まり。無死から3連打を浴びて満塁とし、藤井に同点犠飛を許す。続く加藤の2球目を投げた際に左膝にグラブをつく仕草も見せた。その加藤に一塁適時内野安打で勝ち越しを許すと、宮本投手総合コーチとトレーナーがマウンドに急行。続投となったが、2死一、二塁から大島にも右翼線2点二塁打を浴び、この回一挙4失点。下半身がうまく使えず“手投げ”に近い投球が続いたことから、5月下旬にも苦しんだ腰の違和感を覚えた可能性もある。
先発陣が最後の試練を迎えた。菅野の次回登板について、原監督も宮本投手総合コーチも「明日の状態を見てから」とそろって言葉を濁した。右腕も試合後には正常歩行できており、大事に至る前にベンチがブレーキをかけた可能性もある。ただ、次回登板予定の10日のDeNA戦(横浜)に間に合わないとなれば、シーズンの分水嶺(れい)を迎えることになるか。1日の阪神戦(甲子園)で4回途中1失点の今村、3日の中日戦(新潟)で3回持たずにKOされたメルセデスはそろって、登録抹消中。10日にはまだ1軍に呼ぶことができない。新たな代役を立てるのか、ブルペンデーでまかなうのか。いずれにしても総力を結集してカバーするしかない。
今季5度目の4連敗となり、2カード連続の負け越しも決まった。原監督は「新潟、群馬のジャイアンツファンにあまりいい試合を見せられなくて申し訳なかった。これをバネに明日からしっかり戦う」と地方の球場を埋めてくれたご当地のファンにわび、本拠に戻る5日からの再出発を誓った。まずひとつの白星を挙げる。それが状況を好転させる唯一の手段だ。(西村 茂展)