瀬奈じゅんが宝塚退団10年で「女優になれた」と自信

瀬奈じゅん
瀬奈じゅん

 元月組トップスターで女優の瀬奈じゅんが、9月7日からスタートする日本初演50周年記念公演ミュージカル「ラ・マンチャの男」に、ヒロイン・アルドンザ役で出演する。歌舞伎俳優・松本白鸚(77)が50年間、ドン・キホーテを演じている名作だ。過去に白鸚の娘で女優の松たか子、宝塚歌劇団OGでは鳳蘭、霧矢大夢らが演じている。

 ラバ追いの男たちのマドンナ的存在でありながら、男勝りな雰囲気は宝塚の男役経験者にピッタリな気もするが「私は女性としての魅力とか色気は絶対必要だと思うんです。どんなに足を開いて座っても。そういう意味では今、この時期で良かったなと思います」と、宝塚卒業10年目に巡り合った役に心を躍らせている。

 宝塚歌劇団のトップスター時代に、何度かインタビューをしたことがある。凜とした姿で、どこか人を寄せ付けない緊張感を漂わせていた。それだけ一人で様々な重圧と戦い、ステージ上で組子と客席を巻き込んで盛り上げ、輝いているのだと当時感じたことを思い出す。今回、10年以上ぶりに話を聞いた瀬奈は、柔らかい雰囲気をまとっていた。オーディションを受けた時は「受かる受からないは別として、白鸚さんとお話させていただくのが幸せでした」とほほ笑んだ。男役10年と言われる宝塚。瀬奈には退団後の10年が、本当の意味で“女優”と胸を張るために必要な時間だったのかもしれない。

 これまで、努力してかなわない夢はないと信じて生きてきたという。「宝塚に入りたくて、入ったら口には出しませんがトップになりたい。それをかなえて、つい最近まで頑張って努力すれば夢はかなうと信じていました。でも、どうしようもないこともあると経験し、自分の今を精いっぱい生きようと思うようになりました」と穏やかに話す。実生活では結婚し、2018年2月に特別養子縁組が成立。激しい稽古のあとでも家に帰れば子供と童謡を口ずさむなど、すっかりママの顔になる。イヤイヤ期まっただ中の子供にも、しっかり向き合い「何が嫌か分からないけど、泣いているんです。もっと私が若かったらイライラしたのかもしれないですけど、今は何だか笑ってしまって。でも、子供は笑われるのが気に入らないみたいな。そういう意味では忍耐力とかつきますよね」とほがらかに笑う。子育てを通して「人生勉強中」と話す瀬奈。その経験が今後どう役に生きてくるのか。まずは生き生きと、そして魅力的な「ラ・マンチャの男」アルドンザ役に期待したい。(記者コラム・古田 尚)

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