ウルトラ坂手、必殺技“アイスラッガー投法”で南ア倒す

ラインアウトの練習でボールを投げ入れる坂手(中)(カメラ・中島 傑)
ラインアウトの練習でボールを投げ入れる坂手(中)(カメラ・中島 傑)
ラグビー日本代表の南アフリカ戦先発予想
ラグビー日本代表の南アフリカ戦先発予想

 ラグビー日本代表が“アイスラッガー投法”で南アフリカ代表を斬る。2日は午前中に都内のグラウンドで冒頭15分のみ公開して全体練習を行った。先発が濃厚なフッカー坂手淳史(26)=パナソニック=は、ラインアウトのスローイングで「ボールを一度頭に置く」ルーチンを重視。ウルトラセブンの一撃必殺技をお手本に、前回W杯の金星を再現する。

 トンボが舞う都内のグラウンドで、坂手は先発組のフッカーに入った。ボールを持ちサイドラインに立って、深呼吸し、両手で持ったボールを一度軽く頭に置いてから力強く真っすぐ、ジャンパーに向かって投げた。「一番リラックスした状態で投げられるように」メンタルコーチと共に考案したルーチンは、ウルトラセブンが頭部についた宇宙ブーメラン、アイスラッガーを投げるさまにそっくりだ。

 ラインアウトは体格で勝る相手が狙いを定めてプレッシャーをかけてくる。投げたボールが曲がれば反則。ゴールまでの距離によっては一気にピンチに陥る。スローイングの安定は勝利の絶対条件。大黒柱の堀江が首の負傷で別メニュー調整が続き、代わって先発が濃厚で重圧もある。「苦手意識があって焦ってしまう」気持ちを封じるためにも、4年前に日本中の話題をさらったFB五郎丸歩(ヤマハ発動機)と同じくルーチンは欠かせない。先月末まで行われた北海道・網走合宿では、毎日フッカー陣で最後まで居残りスローを繰り返した。

 15年W杯の南アフリカ戦ではマイボールのラインアウトを9回中8回キープに成功し、大金星につなげた。その試合は帝京大の寮で見ていた。翌日の練習に備え「前半だけ見て寝よう」と思ったが接戦になり盛り上がっていると、下の部屋からSO松田が「うるさい」とどなり込んできたという。寮生活ならではの思い出は「これだけ人に感動を与えられる。自分もそうなりたい。ラグビーに対する意識が変わった」瞬間でもあった。

 ラインアウトの安定が証明できれば、W杯1次リーグ同組で大型FWを擁するスコットランド、アイルランド戦にも自信になる。「2月の合宿から積み上げてきて、パシフィックネーションズ杯で通用したもの、しなかったもの、修正したものがどうぶつけられるか」。数々の怪獣を倒すアイスラッガーのように、鋭いスローイングで日本代表の勝利を引き寄せる。(大和田 佳世)

 ◆アイスラッガー 円谷プロ制作の特撮テレビドラマ「ウルトラセブン」でヒーローのウルトラセブンが使う最強必殺技の武器。ブーメランのような形状をし、普段は頭頂部に収まっており着脱可能。怪獣との戦いにおいて肉弾戦で弱らせた後などでフィニッシュに使われる。背筋を伸ばして両手を合掌させるようにして挟んだ後に思い切り放つ。必殺技を受けた怪獣は、切断されて倒される。

 ◆坂手 淳史(さかて・あつし)1993年6月21日、京都市生まれ。26歳。中学からラグビーを始め、京都成章高3年時にNO8からフッカーに転向し、帝京大で大学選手権7連覇達成時に主将を務めた。2016年にパナソニック入り。同年4月の韓国戦で代表初キャップ。180センチ、104キロ。家族は妻。

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