鈴木みのる、英国での初IWGP戦へ高山善廣と丸藤正道から力水…金曜8時のプロレスコラム

丸藤正道にロープ越しの三角締めをきめる鈴木みのる(カメラ・竜田 卓)
丸藤正道にロープ越しの三角締めをきめる鈴木みのる(カメラ・竜田 卓)

 “プロレス王”鈴木みのる(51)=パンクラスMISSION=が、31日(日本時間9月1日未明)に英国で開催される新日本プロレスのロンドン大会「NJPW Royal Quest」(ザ・カッパーボックス)で王者・オカダ・カズチカ(31)のIWGPヘビー級選手権に挑戦する。

 決戦5日前の26日に鈴木は、東京・後楽園ホールで開催された「TAKAYAMANIA EMPIRE2」に出場した。リング上の事故で、頸髄完全損傷を負い長期入院中の“帝王”高山善廣(52)を支援する興行で、盟友の鈴木は出場しただけでなく、レスラーたちへの呼びかけ、募金活動など主催者の一人として開催に尽力した。

 今年も高山善廣の名の下に団体の垣根を越えて36人のレスラーが集結した。鈴木は2年連続でメインイベントを張り、鈴木秀樹(39)=フリー=と“リアル鈴木軍”を結成して、丸藤正道(39)=プロレスリング・ノア=、田中将斗(46)=プロレスリングZERO1=組と30分フルタイム引き分けの熱戦を見せた。

 昨年8月31日に後楽園ホールで初開催された「TAKAYAMANIA EMPIRE」でも鈴木はメインイベントで、NOSAWA論外(42)、MAZADA(44)と組んで、太陽ケア(43)、TAKAみちのく(45)、近藤修司(41)との6人タッグマッチに勝利(ゴッチ式パイルドライバーで20分51秒、TAKAを体固め)。

 昨年もハードな夏だった。新日本プロレスの真夏の祭典「G1クライマックス」を8月12日の日本武道館まで完走したと思ったら、2日後の14日には後楽園ホールで開催された「カッキーライド2018」メインイベントで悪性リンパ腫で闘病中の垣原賢人(47)を相手にメインイベントを務め、31日の高山支援興行にも登場した。

 そして今年は「G1クライマックス」の公式リーグ戦のエントリーから漏れたものの、シリーズを完走した。12日の最終戦(日本武道館)のセミファイナルで、ザック・セイバーJr.(31)とのタッグでオカダ、棚橋弘至(42)組と対戦し、ゴッチ式パイルドライバーでオカダに勝利してみせた(15分27秒、体固め)。

 「おいオカダよ、G1にも出させてもらえない俺に負けて、だらしねぇな、おい。要するにこういうことだよ。俺をあの仲良しグループに入れちまったら、お前らの予定にない、こんなことが起きちまうもんな。オカダ・カズチカ、そのIWGPヘビーのベルト、俺によこせ。俺は逃げも隠れもしねぇぜ。何てったって俺、プロレス界の王! 鈴木軍、イチバーン!」とマイクで絶叫した。これがIWGP実行委員会を動かし、「TAKAYAMANIA」で終わらない、長い夏を演出した。

 鈴木はIWGPインターコンチネンタル王座、IWGPタッグ王座(パートナーは高山善廣)、さらには全日本プロレスの三冠ヘビー級王座にも就いたことがあるが、IWGPヘビーのベルトは、これまで棚橋、オカダに挑戦しているものの、戴冠はならず。入門時の師匠・アントニオ猪木からの流れをくむ、プロレスの象徴に51歳にして挑む。しかもIWGPヘビー級戦史上初の英国開催だ。

 「TAKAYAMANIA EMPIRE2」は、そんな鈴木の壮行会でもあった。「2度と顔を見ることがないだろうと思ってた丸藤とこうやって会うなんて、何かの縁だよね」2015年から16年にかけて、丸藤のプロレスリング・ノアに、鈴木軍として乗り込んで、タイトルを総なめにするなど制圧した。この時の鈴木軍の強さと憎たらしさはすごかった。あの時の勢いを取り戻せた丸藤との邂逅(かいこう)。試合後はリングに描かれた「TAKAYAMANIA」のエンブレムの上で握手した。

 2人に言葉はいらなかった。そして、高山からのビデオメッセージが大型スクリーンで流された。「本当にちょっとずつですが、戻っているような気がします。明らかに自分の感覚が違ってますので、いつの日か本当に、鈴木みのるにビッグブーツをかませる日が来るんじゃないかと思い、リハビリに励んでおります」

 エンディングは前回と同様に高山の決めポーズ「ノーフィアー!」を超満員1500人の観衆とともに叫んだ。

 鈴木はこう言った。「ノーフィアーって意味知ってる? 怖いもの知らず、怖いものなし、恐れ知らず。こないだ高山善廣対ドン・フライの試合を見返したら、あんな試合怖くないなんてねぇぞ。だからあいつ、もしかしたら、若いときから、今から怖いものに向かっていくから、俺は怖くないぞって自分のことを鼓舞するために叫んでんじゃねぇかって思います。ある日、突然、首から下が動かなくなって、自分で飯も食えなくなって、トイレに行けなくなって、想像してみい、そんなん怖いに決まってる。あいつは、俺らとは比べものにならないくらい怖いものと今、闘ってる」

 この言葉は51歳で異国でIWGP王座に挑む鈴木自身への鼓舞のようにも聞こえた。2012年ロンドン五輪の会場でもあるザ・カッパーボックス。セミファイナルではザックのブリティッシュヘビー級王座に棚橋が挑み、NEVER無差別級王者・石井智宏(43)は、前WWEのヒテ゛オ・イタミことKENTA(38)の挑戦を受ける。大舞台のメインでオカダに挑む鈴木みのるは、ノアに乗り込んだ時の鈴木軍の“怖いもの知らず”ぶりを「TAKAYAMANIA」で注入されたようだった。(酒井 隆之)

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