【二宮寿朗の週刊文蹴】「ノーサイド・ゲーム」と元主将の思い

広瀬俊朗
広瀬俊朗

 今回はフットボールつながりでラグビーの話をさせていただきたい。9月20日に開幕するW杯日本大会に臨む日本代表31人が発表された。あと3週間、徐々にムードが高まっていきそうだ。

 本大会への機運醸成に一役買っているのが、TBS系列で放送されているドラマ「ノーサイド・ゲーム」である。低迷する企業チームを大泉洋演じるラグビー経験のないGMが再建していくストーリー。なかでもチームの司令塔を務め、精神的支柱でもある浜畑譲役の元日本代表・広瀬俊朗の好演が光る。チームや仲間を大切にする姿は、どこか現役時代の彼が重なる。

 広瀬はエディー・ジャパン時代、キャプテンを2年間務めている。リーチ・マイケルにバトンタッチしてからもチームが一つになることだけを考えて行動に移していた。15年イングランドW杯で出場機会はなかったものの、チームは優勝候補の南アフリカ代表を撃破。ベスト8入りは果たせなかったが、「史上最強の敗者」とたたえられた。南アフリカ戦前日、700人のラグビー関係者の声を集めたビデオが流された。チームを奮い立たせるこのアイデアを出したのが広瀬であった。

 「最後のところでタックルに行けるかどうかは、(チームへの)忠誠心だと僕は思っているんです。それを出してもらうための工夫が、あのビデオでした。自分たちの後ろにはこんなにも大勢の人がいて、喜んでもらうためにはあすの試合に勝つしかない。自分からタックルしたいって思えるような環境をいかにつくれるかだと思ったんです」

 ラグビーもサッカーも、思いを一つにした強固な組織力を身につけた時に結果を手にしてきた。メンバーそれぞれに役割がある。誰かが広瀬のような働きをしなければ栄光は待っていない。話を広瀬に戻したい。日本ラグビーを盛り上げたいという思いが、あの熱演の源となっているのだろう。(スポーツライター)

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