◆柔道 世界選手権 第4日(28日、東京・日本武道館)
男子81キロ級と女子63キロ級が行われた。女子63キロ級にフィリピン代表として出場した渡辺聖未(23)は3回戦で敗退した。
初戦の2回戦では外巻き込みで技ありを奪って優勢勝ち。勢いに乗りたかったが、3回戦でフェルメール(オランダ)に攻めたところを小外刈りで切り替えされ、一本を奪われた。「相手には担ぎ技があるので、前に出て先に仕掛けたのですが…。立ち技の受けが弱く、耐える力がなかった。田代(未来=コマツ)先輩」と対戦したかった」と唇をかんだ。ともえ投げを仕掛けたのを、引き込みの指導と取られる不運も。「捨て身技中心でやっていて、自信を持っていたけど、防がれると見栄えがよくないので…」と話した。
父が日本人、母がフィリピン人で、フィリピン・セブ島出身。10歳の時に父の故郷である山梨・富士吉田市へ移り住んだ。富士学苑高から早大に進み、1年生の時に学生体重別で優勝。2年生の時から早大の全日本学生優勝大会3連覇に貢献したホープ。前日の女子57キロ級で優勝した山梨学院大出身の出口クリスタ(カナダ)に続き、“山梨勢”の連続メダルはならなかった。
今春、自動車部品メーカーのアドヴィックスに就職。練習拠点は早大に置き、来年の東京五輪を目指している。8月25日に23歳になったばかりだ。「ポイント数がまだ足りない。大陸枠というのもあるけど、しっかりランキングで16位以内に入って、出場権を取りたい」と渡辺。今後は海外での練習や積極的な国際大会参加で、東京五輪出場への夢に近づく。
なお、田代は夜の準決勝進出を決めた。男子81キロ級の藤原崇太郎(日体大)は、初戦の2回戦で敗退した。