芳田司、長野出身のカナダ・出口クリスタに敗れ銀「技を信じ切れなかった」

スポーツ報知
女子57キロ級、表彰式で銀メダルを掲げる芳田司(左)と金メダルの出口クリスタ(カメラ・相川 和寛)

◆柔道 世界選手権 第3日(27日、日本武道館)

 女子57キロ級は、昨年覇者の芳田司(23)=コマツ=が決勝で、長野県出身でカナダ国籍の出口クリスタ(23)=日本生命=に延長の末に敗れ、同階級日本勢初の連覇はならなかった。準決勝でリオ五輪金メダルのラファエラ・シルバ(ブラジル)を一本背負い投げで破るなど、初戦の2回戦から4連続で一本を奪ったが、最後に力尽きた。出口は初優勝で、カナダ勢は五輪を含めて初の世界一。

 仕掛けていった芳田は、体が伸びたところを返され、力尽きた。高校時代からの宿敵、出口との決勝戦はゴールデンスコア方式の延長戦に突入。6分26秒。谷落としで技ありを奪われ、連覇を逃した。「技に魂がこもっていなかった。技を信じ切れなかった」。ぼう然とした表情で畳を降りた。

 準決勝でリオ五輪金メダリストのシルバを破り迎えた出口との対決は「予想していた」という。流れはつかみかけていたが「そこから1歩、2歩、3歩くらい走りきれなかった。気持ちの弱さ。まだまだ力が足りない」。東京五輪でも最大のライバルになることが予想される出口との通算対戦成績は4勝4敗となった。

 芳田の伝家の宝刀「内股」は「ケツ股」と呼ばれている。太ももではなく、尻に乗せてはねあげる。全身のバネがなせる技だ。男子66キロ級で金メダルを獲得した丸山城志郎(26)は神奈川・相原中学の先輩で、同じ内股を武器とする。脅威の切れ味を誇る使い手に「似ている」と言わしめたほど。準々決勝では敗戦目前の残り7秒から繰り出し、勝利を呼び込んだ。

 6月の全日本実業団体対抗大会で左太もも裏を痛めた。1か月乱取りができなかった間は、ウェートトレーニングで上半身を強化し、バランスよい肉体に仕上げてきたが「初戦から弱気になってしまった」。準々決勝から3試合連続で延長にもつれる展開にスタミナも奪われた。

 女子57キロ級では「野獣」の愛称で親しまれた12年ロンドン五輪金メダルの松本薫さん(31)が2月に引退。世界の層が厚い同階級で、芳田が日本のエースであることには変わりない。「東京五輪でまた出口選手と戦いたい。次は一本を取って勝ちます」。魂の込もった目で言い切った。(高木 恵)

 ◆芳田 司(よしだ・つかさ)1995年10月5日、京都市生まれ。23歳。福岡・敬愛高卒。小学2年で柔道を始める。左組み。2017年世界選手権銀、18年は金メダル。好きな著名人は星野源。妹・真(18)は48キロ級で活躍。156・5センチ。

 ◆女子57キロ級代表争い 東京五輪代表をめぐる争いは芳田がリードしている。今大会団体メンバーで昨年のGS大阪準決勝で芳田を破り、銀メダルの玉置桃(24)=三井住友海上=が追う。

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