歌手のASKA(61)の「CHAGE and ASKA」の脱退表明から一夜明けた26日、デュオの相棒のChage(61)が、所属レコード会社を通じて「僕たちの音楽を愛するあなた達へ」と題したコメントを発表した。ASKAとの面会を申し入れたが実現せず、23日に書面で脱退の申し入れがあったと説明。「誰が何を言っても『覆る』事はないのでしょう」と無念さをにじませつつ、「二人で活動して来た事を後悔しないためにも、そして今でも僕らの音楽を愛してくれている人の為にも、歌い続けたい」とつづった。
ASKAの脱退表明に、Chageは「皆様を悲しませてしまったことに責任を感じると共に、率直にとても残念な思いです」と心境をつづった。
「彼が理由に挙げていることに、ここで意見することはありません。彼の思いは『彼の考え』であることに間違いありません。誰が何を言っても、『覆る』ことはないのでしょう」「僕が前向きな発信をすれば、『払拭』できるかもしれません。『なぜ、それができないのか』『何故、それを説明できないのか』…どうか、ご理解ください」と苦しい胸の内を吐露した。
不本意な形だが、事実上の脱退の容認。ASKAに復帰の意思がないため、「CHAGE and ASKA」という看板の消滅。解散に等しい状態になったといえる。
ASKAは25日のブログで「相棒の『電話番号』も『メールアドレス』も知りません。彼の弁護士を通してしか、連絡の方法がありません」としたが、Chage自身は、相棒との接触を試みていた。1か月ほど前に2回、弁護士を通じて2人での面会を申し入れたが、実現しなかった。その代わりに手書きで思いをつづった手紙を渡したという。
福岡の高校の同級生だった2人は79年に「チャゲ&飛鳥」としてデビュー。数々のヒット曲で隆盛を極めたが、09年2月、ソロ活動を充実させるため無期限の活動休止に。その後はASKAの病気や薬物事件などもあり、2人一緒に活動することはなかった。Chageは「ソロ活動をやればやるほど、『CHAGE and ASKA』復活論が熱望される状況下に戸惑いが生じているのは僕もそう。彼もそうなのでしょう」とし、「何もできない複合体であるならば、複合体の意味がない」と表明したASKAへ理解も示した。
ASKAは、チャゲアスの40年の活動を「我らの勲章」とつづったが、それはChageも同じ。31日から全国ツアー(Zepp Nagoyaほか5公演)を控えるが「僕の意思に関わらず、このような状況になったことすらも前向きに捉え、ソロ活動にまい進できる今の環境を真摯(しんし)に受け入れようと思う」。前だけを見つめ、進んでいく。