ハマのドン「命張っても反対」横浜市カジノ誘致表明に

横浜港ハーバーリゾート協会による山下ふ頭整備後の予定図
横浜港ハーバーリゾート協会による山下ふ頭整備後の予定図

 横浜市の林文子市長がカジノを含む統合型リゾート施設(IR)を誘致すると正式発表したことに対し23日、整備先とした山下ふ頭(中区)の港湾事業者の多くが加盟する横浜港運協会の藤木幸夫会長(89)が会見し、「断固反対」の立場を鮮明にした。「オレは(反対派の)最後の一人になっても、命を張っても反対する」と決意を語った藤木氏は、“ハマのドン”として知られる地元経済界の有力者だけに、今後の誘致活動において大きな影響を与えることは間違いない。

 横浜市のIR誘致正式表明からわずか1日。整備先を「根城」とする「ハマのドン」が、市の姿勢に「ノー」を突き付けた。横浜港を中心に港湾荷役事業を行う会社の2代目社長(現職は会長)である藤木氏は、横浜エフエム放送社長や横浜スタジアム会長などを歴任。地元経済界では影響力の強い人物だ。

 藤木氏は「ここで働いている『港湾人』として、我々が良きあり方を考えていかないといけない。山下ふ頭を『ばくち場』にはしたくないんです」と、カジノをあえて過激な言葉で呼び、反対を強く訴えた。港湾関係者は現在のところ「反対」で一致しているそうだが「オレ一人になっても反対するぞ、ということ。命を張っても反対する」と語気を強めた。

 当初、藤木氏はIR誘致には肯定的だった。だが、「未知との遭遇だった」というカジノについて知れば知るほど、危険性を感じたという。「勉強をして、ギャンブル依存症の大変さを知った。反省に反省を重ねて、反対という結論に至った」と“方向転換”の理由を説明した。

 林市長は22日の会見で「厳しい財政状況が見込まれる中、飛躍するにはIRが必要だと判断した」と、2020年代後半の開業を目指すとした。藤木氏が同じく会長を務める「横浜港ハーバーリゾート協会」も国際展示場を中心とした開発案を発表しているが、これについて、市は「赤字になる公算が大きい」とみているという。

 だが、協会側は「赤字になるという根拠となる試算がない」と反発。独自の試算によるカジノ不要論を強調した。国際展示場の建設で年間800億円の税収があると試算。さらに、クルーズ船の誘致やF1開催などで、IR誘致で市が見込んでいる最大1200億円の税収を、カジノがなくても上回る公算が大きいとした。

 これまで、IRについて「白紙の状態」としてきた林市長が突如、誘致を表明したことで、「顔に泥を塗られた」と不快感を示した藤木氏。「山下ふ頭は、我々の聖地。金(を稼ぐこと)だけじゃなく、精神的な面でも『よかったね』と将来言われるようにしていきたい」と意気盛んだった。

 ◆藤木会長に聞く

 ―市は山下ふ頭の業者に対し、移転を求めている。

 「ここはオレたちの場所。なぜ、立ち退かないといけないのか。ここで寝泊まりして居座りますよ」

 ―ハーバーリゾート協会の案には、手を挙げる事業者が出ていないが。

 「今はカジノに賛成の業者だけが挙げられる状態だから、当たり前の話」

 ―住民や抗議団体などによる誘致反対運動の動きも出ている。

 「意思表示のできる市民は尊敬に値しますが、(カジノ反対でも)横浜に混乱をもたらすような人たちとは一切手を組みません」

 ―林市長は住民投票の考えはないと話している。

 「負ける勝負はできないということでしょう」

 ―横浜市以外でも、カジノ誘致に手を挙げている自治体がある。

 「私は旅人ではなく村人。横浜の人間です。他の地方のことは関係なく、山下ふ頭では反対ということ」

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