サッカーにポジション別の指導は必要か。“ボランチ専門指導”の現場に密着

「FOOTBALL LEGENDS CLINIC」で少年を指導した元日本代表MF福西氏(左から2人目)
「FOOTBALL LEGENDS CLINIC」で少年を指導した元日本代表MF福西氏(左から2人目)

 8月14日、東京都内のフットサル場で「FOOTBALL LEGENDS CLINIC」が開催された。各ポジションでスペシャリストと呼ばれた元選手が、子供たちにその“神髄”を徹底指導するというコンセプトのクリニック。今回は現役時代にボランチとしてジュビロ磐田の黄金期を支えた元日本代表MF福西崇史氏(42)が講師を務めると聞き、足を運んだ。

 福西氏と言えば、現役時代は強じんなフィジカルを生かして攻守において活躍し、日本代表でも02、06年W杯など67試合に出場した名ボランチ。約90分にわたる指導のすべてをここで書くことはできないが、ピッチの中央で攻守において重要な役割を担うボランチのプレーを、切り取って指導していた。

 中でも印象に残ったのが守備でのボールの奪い方だ。まず子供たちの左右の肩を押し、どちらからの当たりが得意かをチェック。例えば右肩でのチャージが得意な選手には、右側に相手を誘い込んで体をぶつけ、ボールを奪い取る方法を伝えていた。実際にボール保持者の役も務め「(距離を)詰めろ!」「今(体を)ぶつけろ!」と声をかけ、間合いとタイミングも伝授。さらにDFのカバーが後方にいる中盤での状況をつくり、ボールにチャレンジして奪いきるというメニューも。そんな中で、明らかに“コツ”をつかんだ子供も見受けられた。指導後、福西氏は「きょう教えたことは、自分が現役時代から意識してきたこと。少しでも(子供たちに)還元できればいいですね」と話していた。

 プロ野球では投手コーチはもちろん、内野、外野守備などポジションごとにコーチがつくが、サッカーにおいてはJリーグでもFWコーチ、DFコーチといった専門職はまだ聞いたことがない。育成年代の指導現場において、各ポジションを経験した指導者がいるというチームは決して多くないだろう。レベルが上がれば専門職のGKコーチがいるチームはあるが、やはりボランチでも、FWでも、サイドバックでも、そのポジションの選手にしか見えない“景色”は存在する。今後はプレーヤーとして世界を経験した選手たちが現役を引退し、指導者として子供たちと接する機会は増える。より細分化された専門指導が、今後の日本サッカーの発展につながる可能性はあるはずだ。

(サッカー担当・金川誉)

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