浦和MF宇賀神 挫折だらけのサッカー人生 高3でトップ昇格できず、大学でまさかの土器発掘…

浦和ジュニアユースの選手たちを相手に講演した浦和MF宇賀神友弥
浦和ジュニアユースの選手たちを相手に講演した浦和MF宇賀神友弥

 J1浦和の元日本代表MF宇賀神友弥(30)が20日、さいたま市内で浦和ジュニアユースの選手たち約60人を前にして講演を行った。

 宇賀神は浦和のジュニアユース、ユースの下部組織でプレーしたが、トップチームに昇格できず、流通経大に進学した過去がある。「ユースからトップに上がれなかったけど、挫折は恥ずかしいことじゃない。挫折から気付けることもある」と力説した。メモを取りながら熱心に聴き入るサッカー少年たちへ「努力に勝る天才なし」という言葉を送り「原口(元気)選手だって宇佐美(貴史)選手だって、才能だけでは生き残ったわけじゃない。努力の天才になってほしい」と約30分間の講演で熱く呼び掛けた。

 プロ選手になるまで、何度も大きな挫折があった。

 宇賀神は地元、埼玉・戸田市の戸田南FCから中学1年時に加入した浦和ジュニアユースで、最初の壁にぶち当たった。「戸田では一番だったけど、ジュニアユースでは全員が自分よりうまかった。1回目の挫折でした」。サッカーをやめようと思った苦い過去を振り返り、「まずはみんなの追いつこうということから始めた」という。

 トップ昇格を果たせなかったことが2度目の壁となった。高校3年時に指導者から「君はプロになれない」と告げられ、自分の長所や短所は何なのか初めて考えたという。その頃からサッカーノートを書くことを習慣にするようになり、「練習でできたこと、できなかったことを書いて、自分の頭で消化して努力するようになった」と明かした。

 流通経大では最初の2年間、ほとんど試合に出られず、またしてもサッカーをやめたいと思ったという。浦和というビッグクラブの中心選手として活躍する現在の姿とはかけ離れた“不遇”を物語る逸話がある。

 大学2年時に新しい練習場を建設する際にグラウンドを掘り起こしたら「遺跡が出たんです」と苦笑いした。グラウンドを整備する前に地中を調査するため、約200人の部員の中でトップチーム以外の選手で発掘することになった。宇賀神も参加し、「授業がない空いている時間は“掘削”作業をしてました。『土器が出てきました~』とか言ってましたね」。1学年後輩ながら当時チームの主力で活躍していた浦和FW武藤雄樹は体験しなかったというエピソードで、宇賀神は「そんな時期もありましたけど、それでも続けることで意味があった」としみじみ話した。

 大学時代は「大宮アルディージャに入って埼スタでレッズを倒したい」と励んだ。主力で活躍して4年時に浦和から練習参加の話が来た時は「成長した姿を見せられるのかと最初は怖かった」というが、流通経大の中野雄二監督から「積極的に仕掛けなかったらルーのないカレーと一緒だ」と励まされ、宇賀神は「それじゃ意味がないと熱い気持ちで練習に臨みました」という。練習参加でのプレーも認められ、特別指定選手として浦和加入に至った。

 17日の神戸戦(0●3、ノエスタ)でJ1通算250試合出場を果たした。決してエリート街道ではなく、壁ばかりのサッカー人生だったが、「乗り越えられない人に壁はやってこない。壁にぶち当たったことがチャンス」とプロを目指す後輩たちに持論を語った。

 日本代表での出場は、昨年3月の親善試合・マリ戦(1△1)の1試合にとどまっている。「プロでプレーし続けてる上では日本代表は常に目指さなきゃいけない。あの1試合で終わりだと思ってない。32、33歳でも結果を残し続ければ(日本代表監督の)森保さんも無視できない。そういう強い気持ちでプレーしたい」。代表指揮官から“再発掘”されるため、宇賀神はまだまだ走り続ける。(星野 浩司)

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