逆転負けの作新、日ハム石井一成の弟・巧主将「今まではムダじゃなかった」 試合後は“沈黙の3分間”

1回1死一、二塁、作新学院・石井巧がセンターへ先制の3ランを放つ
1回1死一、二塁、作新学院・石井巧がセンターへ先制の3ランを放つ

◆第101回全国高校野球選手権大会第12日 ▽準々決勝 中京学院大中京6―3作新学院(18日・甲子園)

 作新学院の石井巧遊撃手(3年)が初回1死一、二塁からバックスクリーン左へ先取点を呼び込む3ランを放つも、チームは終盤に逆転満塁弾を浴びて敗戦。全国制覇した2016年以来の4強入りはならなかった。

 試合後、取材陣に囲まれるも、タオルで顔を覆い、立ち尽くした。「本当に悔しいです」。“沈黙の3分間”の後、唇を奮わせて言葉を紡ぎ出した。初回にチームを勢いづける3ランを放った石井。「センターフライかと思った。何かが押してくれました」と振り返った。

 「特別なことはやろうとしていない。今までやってきたことの発表会」と臨んだ最後の夏。初戦から走者が出ても送りバントはせず、足を絡めた“超攻撃野球”で相手を翻弄。「送りバントは100%は成功しないし、アウトを1つあげてしまう。攻めた結果のアウトは相手に流れを渡さない」と、栃木大会の計5試合で記録されたのは黒羽との2回戦、桑名日向内野手(3年)のセーフティバントのみ。ナインの1人によると、意図した送りバントはなく、バント練習はしたことがないそう。聖地でも光った“超攻撃野球”に主将は「作新はこういう野球をやるんだぞというのをほんの少しでも見せられたと思う」とした。

 「下がりきれないくらい、どん底に落ちた」。今春は8強に沈むと、5月から小針崇宏監督(36)は3年生をグラウンド出入り禁止に。1、2年生のみの練習が行われ、3年生はその間練習は一切行えず。主将は「このチームを終わらせてしまった」と責任を強く感じるも、毎日のミーティングを重ね、「最後にやるのは俺たち3年だろ」と決意をあらためた。「覚悟を持って入ってこい」と、3週間後にようやく指揮官から“出禁命令”が解除された。そんな困難を乗り越えた主将を指揮官は試合後、「苦しんでた部分あったが、最後はプレーで引っ張り、素晴らしい主将だった」とたたえた。

 「兄の存在があったから」と、作新学院の門をたたいた。兄は同校OBで早稲田大学に進学後に、日本ハムへ入団した一成内野手(25)。この日、アルプスで声援を送った父・勲さん(48)は、「巧は一成の後を常に追ってましたね。憧れであり目標でありライバルかな」。巧は一成が出場した11、12年の甲子園は全て球場で観戦したそうで、「ここでプレーするイメージができた」と語ったこともあったそうだ。

 今後の進路については「大学で野球をやります」と話した主将。「日本一を目指してやった今まではムダじゃなかった」と力強く語り、最後の夏の聖地を後にした。

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