◆第101回全国高校野球選手権大会第10日 ▽3回戦 明石商3×―2宇部鴻城(16日・甲子園)=延長10回=
明石商(兵庫)が、同点の延長10回にサヨナラスクイズを決めて初めてベスト8に進出した。1死満塁で、河野光輝遊撃手(3年)がうまく投手前に転がして、決勝点をつかみ取った。
初回には先発・杉戸理斗投手(3年)が、宇部鴻城の3番・酒井隼平三塁手(3年)に2ランを浴びて先取点を献上。5回に重宮涼三塁手(3年)がソロを放って1点を返し、8回に、清水良二塁手(3年)の一ゴロで同点に追いつき、延長に突入した。先発・杉戸は2回以降を無失点に抑え、10イニングを155球で10安打2失点で完投した。明石商・狭間監督の一問一答は以下の通り。
―サヨナラスクイズで8強
「本当にこいつらホンマ素晴らしいですわ。こんな試合できて、本当に野球をやっていてよかったと思います。苦しかったけど最後まで諦めずに絶対チャンスがあるんだと言い続けて、本当にチャンスをものにしてくれた。やっぱり練習は嘘をつかないということと、チームがひとつになったと言うことじゃないでしょうか」
―スクイズの場面では攻撃のタイムがあったが
「三塁は突っ込んでもいいけど、飛び出してしまうと全部アウトになってしまうので一塁と二塁は次の塁まで行けと言う指示をしました」
―転がった瞬間
「満塁なので、フォースアウトになるかなと思ったんですけど。本当にいいタイミングのスタートと、いいところに転がしてくれました」
―8回1死三塁から同点の場面ではエンドランを仕掛けた
「うちは引き出しは全て持っているので、どのような状況になっても、点を取る用意は出来ている。たまたま(代走の)窪田は相手の投手の癖が分かっていた。(相手投手が)ホームを見ないと投球できない子なので、盗塁は出来ると言うことで二盗じゃなくても三盗でもいいからやってくれと言ったら本当に(三盗を)やってくれた。(1死三塁からは)フルカウントだったので1球しかないので、ファウルであればスクイズ失敗になるので、エンドランにしたら、清水がよく(一ゴロを)転がしてくれました」
―杉戸が粘り強く投げた
「最初に2点取られたけど、本当に辛抱強く丁寧に投げてくれました。あいつは本当に真面目な奴でコツコツ積み重ねる奴なので、やってくれると信じていましたけど、本当にやってくれてうれしく思います」
―継投は考えなかったか
「考えていましたよ。次は(右翼を守っていた)安藤で行こうと決めていたので、安藤にピッチャーをやらすつもりでいたんですけど、状況を見てまだ杉戸で行こうと思って杉戸で行きました」
―辛抱強さ、我慢強さはどこから来ているか
「チームが1つの目標に向かっているのと、練習をコツコツ積み重ねた事じゃないでしょうか。それと何度も言いますけど、(部員)111人が1つになって、ベンチに入っていない3年生も2年生も1年生も、色んな事をやってくれたおかげでその力で勝った勝利だと思います」