廣岡選手8年ぶり2度目頂点…第50回報知アユ釣り選手権オーナーカップ決勝大会(岐阜・益田川)

決勝戦でアユを釣り上げる廣岡昭典選手
決勝戦でアユを釣り上げる廣岡昭典選手
表彰式で笑顔を見せる(左から)準優勝・大原、優勝・廣岡、3位・辻、大野の4選手
表彰式で笑顔を見せる(左から)準優勝・大原、優勝・廣岡、3位・辻、大野の4選手

 「第50回報知アユ釣り選手権オーナーカップ」決勝大会は9、10日に岐阜・益田川で開催された。全国8河川で行われた予選を突破した選手と歴代名人、歴代優勝者、シード選手、推薦選手を合わせた110人が出場。廣岡昭典選手(39)=田辺市、龍水会=が42回大会に続き2度目の優勝を飾った。同選手は第50期報知アユ釣り名人位を懸けて22日、岐阜・馬瀬川で小澤剛名人(49)に挑戦する。※成績は全てオトリ2尾込み。

 強い気持ちで臨んだ決勝戦。検量で勝利を確認すると、廣岡選手はようやく頬を緩めた。安堵(あんど)の表情にも見えたのはこの試合は絶対落とさないと決めていた意志の表れだろう。数ある大会で思うような戦績を残せず、「ふがいなくて、毎年悔しい思いをした」。ため込んだその悔しさを一気に力へと変え、8年ぶり2度目の優勝を飾った。

 大原選手との決勝戦は午後1時50分、本部前のスポーツ公園橋上下流で行った。下流に入った廣岡選手は石の色や水の流れを確認しながら移動。そして少し波立った平瀬で竿を構えた。するとすぐに試合は動いた。4分後、廣岡選手の竿が大きくしなり1尾目を掛けた。「今大会はどこのエリアでも早々にオトリを替えることができた」とポイントを見極める目もさえた。そこから順調に数を伸ばし、前半で5尾、後半には3尾を追加し決着をつけた。

 廣岡選手は「前回は表彰台でもなんだかフワフワした感じだった」と、がむしゃらに釣りに没頭した8年前を振り返った。しかし今回は自身の能力を最大限に発揮。勝ち取った表彰台の頂点にどっしりと両足を据えた。「落ち着いて立っていられた。この景色も長らく忘れていた。すごく気持ちいい」と見せた心からの笑顔に、今大会に懸けた熱い気持ちが伝わってきた。

 そして、名人戦挑戦者に名乗りを上げ「小澤選手と対戦するのが夢だった。それがかなってほんとにうれしい。自分の釣りで精いっぱい勝負してみたい」と胸を躍らせた。

 廣岡選手は和歌山・田辺市龍神村に在住。日々、ホームの日高川で腕を磨いている。所属する「龍水会」には第45期名人の松本一平選手を始め、多くのアユ釣り名手が在籍する。その仲間から応援メッセージが届き「すごく大きな力となった」。そして、次に狙うは7期ぶりの名人返り咲き。22日、小澤名人と岐阜・馬瀬川での一騎打ちは、昇龍再燃への期待がかかる。

(大塚 真哉)

 初の栄冠まであと一歩。惜しくも準優勝に終わったが、大原孝選手(61)=四国ちろりん会=が強豪相手に大暴れした。1、2回戦ではブロック最高釣果で勝ち上がり、3回戦はプレーオフでの勝利。狙ったポイントが見事に的中し、この大躍進に自ら「神ってる」。トーナメント戦でも順調に勝ち進み、勝てば大会史上初の60歳代選手権者に王手をかけた。

 決勝戦では前半、勝負のポイントに選んだのはエリア上流のチャラ瀬。「反応があったから折り返し折り返し探ってた」と、攻め続けたが思うように数は伸びず、2尾を追加したのみ。場所交代した下流では、バラシもあって30分後になんとかオトリを替え、終了間際に連続で2尾を掛ける追撃を見せたが、時間は待ってくれなかった。

 「悔しい。悔しいけど全力を出し切った。ああしてたら、こうしてたらよかったなどは一切ない。全てに悔いはない」と、いごっそうはきっぱり。表彰式では2日間で12時間以上も闘争心をむき出しに戦い抜いたファイターに惜しみない拍手が送られた。

 選手コメント 【第3位】

 辻行雄選手(自身最高位の3位で存在感をを示したが)「一番の狙いどころに一般の釣り人が入っていた。場所交代するとそこが空いた。ちょっとした運で左右されるマンツーマンでの試合の難しさかな。喜多幅との試合は負け試合。あいつはうまい。今度は決勝で当たりたいな」

 大野卓美選手(準決勝で終盤にテンポ良く3尾を釣り上げたが反撃届かず)「深みにオトリを入れて反応を探ったが、魚がいるところをなかなか見つけられなかった。ここまで来ると10尾以上は釣らないと勝てない。長く釣りができて楽しかった」

 【ベスト8】

 谷口輝生選手(準々決勝で釣果が伸びず無念の敗退)「下見に入れず、ぶっつけ本番になってしまった。渇水気味で、思ってた以上に深みがなかったので釣れるようなポイントがなかった。シード権を得たし、来年こそてっぺんを狙って再チャレンジしたい」

 喜多幅武選手(同クラブの辻選手と対戦が決まり、懇親会場で下克上を宣言したが)「師匠は泳がせが苦手だと思って、ここはイケるかなと。いいポイントを見つけたが境界ギリギリだったので敬遠すると、場所交代後に師匠がそこで釣果を挙げてた。めちゃくちゃ悔しい~!」

 三好仙辰選手(初出場で決勝トーナメント進出。廣岡選手との対戦に)「緊張して手が震えた。ケラレと身切れが3回あって、仕掛けについてもまだまだ勉強不足を感じた。全国大会の雰囲気や、初めて1対1の試合も経験できて満足している」

 長尾保選手(目標に掲げていた3回戦突破をクリアし)「ひとつずつのステップアップだから、次はベスト4という新しい目標ができ、来年が楽しみだ。川相が合わず釣りづらかった部分があったが、アユの付き場の判断を誤らないようにした」

 ○…開会式で尾崎健次選手(43)=ちろりん会=が全選手を代表し「日頃の釣技を遺憾なく発揮し、正々堂々と戦うことを誓います!」と力強く選手宣誓。出番前は緊張で口が渇き「試合用のペットボトルの水を半分飲んでしまいました」と苦笑いするも、堂々と初の大役を果たした。1回戦では2回戦進出ラインに1尾届かず惜敗したが、「いい思い出になりました」とにっこり。

 天野勝利・競技委員長「同じ筋書きのドラマはない。今年も違ったドラマを見せてくれた。節目の第50回、そして令和の始まりの年に思い出深い大会になった。日々変化する川の状況に選手も対応しにくかったのではないか、またそこで勉強になったのではないかと思う。盛り上がる大会にしてくれたことに感謝します」

 【状況と試合会場】

 ▽1~3回戦 初日の天候は晴れで無風。天候不順により増水していた川も、連日の好天でほぼ平水にまで回復し、濁りはなし。萩原町の上呂堰堤からJR鉄橋までを8ブロックに分けて行った。

 ▽準々決勝 2日目の天候も晴れで無風。試合開始直前の水位は前日よりも20センチの減水で濁りなし。時間とともに減水傾向にあった。第1ブロック(上呂堰堤下~JA裏下)を4分割したエリアで4試合を行った。

 ▽準決勝 第1ブロックの南飛アスコン前(大原―辻戦)と同下流(廣岡―大野戦)で行った。

 ◇大会メモ もとより大アユで有名な益田川だが今年は別格。釣れた魚の大半が20センチを超え、中には27センチ級の超大型も交じった。例年よりひと回りもふた回りも成長した体高ある個体に引き抜くにもひと苦労。身切れやバラシ、仕掛けトラブルなどに泣かされた選手が多く見られた。

 ◇ドリーム戦 3回戦までに敗退した52選手が、来年の決勝大会シード権を懸けて2日目に行われ、石垣雅人、上田弘幸、山崎秀明、小山清二の4選手が権利を獲得した。

 ◇寄贈 選手が釣ったアユの一部を下呂市萩原町の特別養護老人ホーム「あさぎりサニーランド」に寄贈した。

決勝戦でアユを釣り上げる廣岡昭典選手
表彰式で笑顔を見せる(左から)準優勝・大原、優勝・廣岡、3位・辻、大野の4選手
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