【二宮寿朗の週刊文蹴】神戸は積極補強も効果一過性なら物足りない

元バルセロナのDFトーマス・フェルマーレンが神戸へ完全移籍で加入
元バルセロナのDFトーマス・フェルマーレンが神戸へ完全移籍で加入

 Jリーグの第2登録期間(ウインドー)は16日でクローズとなる。夏の主役もヴィッセル神戸であった。元バルセロナのトーマス・フェルマーレンを筆頭に横浜Mで長年、正守護神を務めてきた飯倉大樹、大分でブレイク中だったストライカーの藤本憲明、そして日本代表で2度W杯メンバーに選ばれた酒井高徳まで加わったのだから。

 39失点はリーグワースト2位。守備の再建が急務となっているため、センターバック、サイドバック、GKと補強が「後ろ重視」になったのは理解できる。ただこれに伴ってここまで11試合に先発した23歳のセンターバック、宮大樹がJ2水戸に期限付き移籍で“放出”された。同様に将来が有望視される19歳の小林友希もJ2町田に期限付き移籍となった。

 「残して育てる」という選択肢はなかったのか。フェルマーレンは宮、小林と同じ左利き。一緒に練習するだけでも経験豊富な元ベルギー代表から学ぶことはあったと思うのだ。武者修行に出すのもいいが、世界で名の知れたフットボーラーたちと同じ環境に置く「長所」を生かしきれていないのはもったいない気がする。

 継承において“お手本”の近くにいることは大切だ。たとえば首位を走るF東京は森重真人の相棒を補強せず、ルーキーの渡辺剛に任せている。ディフェンスリーダーの役割とは何かを彼は日々吸収しているに違いない。

 補強というものはいくらオカネを掛けても効果が一過性で終わるものだと物足りない。チームに波及性があってこそベストだ。アンドレス・イニエスタらの薫陶を受けた若手が、日本代表に入っていくようにならなければならない。そう考えれば自クラブで育てていく「我慢」も絶対に欲しい。

 継承者が出てくれば、それがクラブの伝統となる。誰を伸ばしていきたいのか、その戦略がなかなか見えてこないのは少々残念である。(スポーツライター)

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