星稜・奥川、また154キロ 3番手で登板2回1/3無失点

星稜・奥川は6回途中から3番手で登板、154キロを計測した(カメラ・義村 治子)
星稜・奥川は6回途中から3番手で登板、154キロを計測した(カメラ・義村 治子)

◆第101回全国高校野球選手権大会第8日 ▽2回戦 星稜6─3立命館宇治(13日・甲子園)

 星稜(石川)は、6回途中から3番手でマウンドに上がった今秋ドラフト1位候補右腕・奥川恭伸(3年)が、最速154キロを計測するなど無失点の好リリーフ。昨夏はタイブレークの末、逆転サヨナラ満塁弾で敗れ、今春センバツも習志野に苦杯を喫した“魔の2回戦”を突破した。智弁和歌山は3人での達成は夏の甲子園初となる1イニング3発で、明徳義塾(高知)を撃破。敦賀気比(福井)は杉田翔太郎一塁手(3年)が、夏の甲子園史上6人目のサイクル安打を達成し、ともに福井県勢甲子園最多となる22安打19得点で快勝した。

 駆け足でマウンドに向かうと、主役を待ちわびた場内が沸き立った。「気持ちよく行ったけど。打たれたらまずい、もっと沸くだろうなと。案の定、打たれて。脅威だった」。奥川の視界に異変が生じていた。「甲子園独特の流れ。沸き方がすごかった。最初は見えていなかった。捕手までが、ぼんやり見えていた」。4季連続の聖地にのみ込まれかけていた。

 6回3点差に追い上げられ、なお2死一、二塁で救援。最初の打者に左前適時打を許し、ようやく目が覚めた。「あの1本で見え方が変わった。捕手ミットまでラインに乗っけるイメージで投げるんですけど。ラインができない中で、1本打たれてから、少しできた。気持ち的には楽になった」。指先からミットまで一筋の線に乗せる感覚。「なんかピューッて感じ」と表した。

 8回1死では、5球目に球場表示で154キロを叩き出した。7日の旭川大高戦でもロッテのスピードガンで同じ数値を計測したが、球場では153キロだった。左打者の内角低めのボール球で「指にかかった球じゃない。いいか悪いかでいうと、悪い球ばかり。指にかかった球は少なかった」。フォークを解禁し、2回1/3を2安打1四球無失点3奪三振にも納得しなかった。

 初戦の後は酸素カプセルで回復。12日に先発回避を告げられると、右翼ではなくベンチスタートを希望し、準備は万全のはずだった。「ストライクを取るのに精いっぱい。力を抜いても、入れてもダメ。試合を壊したくないと、縮こまっていた。リリーフの難しさを感じることができた」。9回は右翼に回り、昨夏、今春と敗れていた鬼門の2回戦を総力戦で突破。春夏通算30勝に達した。

 次戦は智弁和歌山と優勝候補対決。79年の箕島戦の延長18回に及ぶ死闘など、石川勢は和歌山勢に夏6戦全敗だ。奥川は「ここからは思い切ってやるだけ。2年半、積み上げたものを出したい」。悲願の頂点まで決死のラインを描いた。(山崎 智)

 〇…甲子園で球速がスコアボードに表示されるようになったのは04年春から。球場表示の最速は仙台育英・佐藤由規、済美・安楽智大の155キロ。星稜・奥川は154キロで、花巻東・菊池雄星、明豊・今宮健太に並んだ。今夏の石川大会3回戦では、石川県立で158キロと表示。本人は「誤計測です」と謙遜していた。

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