【巨人】与那原、復活の150キロ…昨年6月に右肘手術、6日のファーム紅白戦で好投

2軍紅白戦で力投、1イニングを無失点に抑えた与那原大剛(カメラ・柳 敏彦)
2軍紅白戦で力投、1イニングを無失点に抑えた与那原大剛(カメラ・柳 敏彦)

◇巨人ファーム紅白戦 2軍 2―1 3軍(6日・G球場)

 巨人の育成右腕・与那原大剛投手(21)が復帰登板で好投した。18年6月に右肘のトミー・ジョン手術(右肘内側側副じん帯再建術)を受け、長いリハビリ生活を経験。今月6日に行われた巨人ファーム紅白戦(G球場)で1年11か月ぶりに実戦復帰すると、1イニングを無失点に抑え、自己最速を2キロ更新する150キロを計測する好投を見せた。沖縄出身の苦労人が、ケガをきっかけに記帳し始めた野球日誌を紹介し、最速155キロという新たな目標を立てた。(取材・構成=小林 圭太)

 強い日差しが照りつけるG球場で、与那原の剛速球がうなった。捕手のミットに白球が収まると、球場のスコアボードに「149キロ」が表示された。黒田を3球で空振り三振に仕留めた。

 「久しぶりに(試合で)投げられて、今までで一番楽しかったです。復帰して、こんなにいい結果がついてくるとは思っていなかった。ちょっと出来過ぎかなと思ったりもしましたが、リハビリ中に、復帰してどれだけインパクトを与えられるかが大事だと思っていた。投げてない分、アピールもできてないので、そういう点ではよかったかなと思います」

 ファーム紅白戦で2軍チームの2番手で5回から登板。1四球を与えたものの、打者4人を無失点でしのぎ、実戦復帰した。球団計測によると球場表示より1キロ速い150キロが計測されていた。

 「復帰戦で150キロを出そうと、会田コーチとずっと話していた。150キロ出したらインパクトが強いよな、と。球速が全てじゃないですけど、目に見えるものが一番インパクトを与えられる。目標としていたことが達成できてよかった」

 今でも鮮明に覚えている。17年の9月30日。投球直後に、右肘に激痛が走った。その後、リハビリに励むも12月中旬にブルペン投球を行った際に、またしても痛みを覚えた。再びリハビリに励みながら悩んだ結果、18年の6月に手術することを決断した。

 「投げた瞬間、一瞬でダメだ、と分かりました。手術はめっちゃ怖かったです。麻酔が取れて起きたら激痛だった。痛くない箇所があるけれど、そこを外れると激痛。1週間くらいそんな感じが続きました」

 長い長いリハビリ生活の中で、自分のフォームや、トレーニング法を見直した。一人で野球と真摯(しんし)に向き合う時間が増えた。その中で始めたのが、野球日誌=写真=だった。

 「今年の2月のキャンプイン前、1月の下旬くらいかな? 日誌をつけ始めました。書くことで、頭の中が整理できる。何ができた、できなかった、を覚えている。よかったことも悪かったことも全部書いて、自分の感覚で、こういう感じで右足を使って投げたらよかった、とか」

 練習内容やその日の感覚、自分の感想、右肘の具合などを毎日欠かさず記すようにした。

 「日誌を始めたらどんどん、気持ち的にもよくなっている気がして。キャッチボールとかピッチングとか、どこがどうなってたからダメだったと思う、とか。不思議なもので、書いたらずっと覚えているんですよね」

 地道な努力を神様は見放さなかったのだろう。復帰戦で好投できたのも、この日のためにくじけずリハビリに励んできた結果。ここからが再スタートだ。

 「ケガした時は、またこうして投げられると思えなかった。残りシーズン少ないけど、支配下の期限も今年は終わったけど、その時に投げられなかったので、来年に向けて、来年支配下になるためにこれから投げる1試合っていうのは、もう失敗もできない。調子が悪いとかいって打たれるわけにもいかない。何が何でも抑えて少しずつでもいいので、アピールしていきたい」

 自分の武器は長身から放たれる直球だと自覚している。目標の球速を掲げ、さらなる成長を遂げる。

 「基本はやっぱり真っすぐ。そこの数字は出したい。それがアバウトなコントロールだったら意味ないので、コースに投げられるストレートを身につけたい。目指すべきは、高いところ。155キロは出したいですね」

 球場のファンをうならせる剛速球を目指し、しゃく熱の太陽の下で今日も右腕を振る。

 ◆与那原 大剛(よなはら・ひろたか)1998年3月9日、沖縄・北谷(ちゃたん)町生まれ。21歳。小学3年から野球を始め、5年から投手。普天間高では甲子園出場なし。2015年ドラフト3位で巨人に入団。18年オフに自由契約となり、育成選手として再契約。189センチ、87キロ。右投右打。年俸510万円。

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