花咲徳栄の正直な菅原捕手にほほ笑んだ“野球の神様”「デッドボールじゃないんです」

7回1死、花咲徳栄・菅原謙伸が同点となる左越えソロ本塁打を放つ
7回1死、花咲徳栄・菅原謙伸が同点となる左越えソロ本塁打を放つ

◆第101回全国高校野球選手権第6日 ▽2回戦  明石商4―3花咲徳栄(11日・甲子園)

 花咲徳栄の菅原謙神捕手(3年)が7回1死から同点弾を放つも、接戦を落とし、出場校最高チーム打率・432を誇る埼玉王者は初戦で散った。

 素直な心に“野球の神様”がほほ笑んだ。「中森投手の変化球がよくて、よけたら当たってしまった」。7回1死の第3打席で迎えた2球目、菅原は左肩付近の球をよけようとするも直撃。死球で出塁、と思いきや、菅原はすぐに山口球審に「デッドボールじゃないです。すみません」と自己申告。「ストライクゾーンにからだが入ってたと思う」と、すぐに相手チームの捕手や投手、相手ベンチにも謝罪の会釈をした。すると、その素直な行為をたたえるかのように直後の3球目を弾き返すと、これが自身公式戦初となる本塁打になった。「人生で1番いい当たりだったと思います」と、会心の一発。幻になりかねた同点弾に、「神様が打たせてくれたのかも」と、笑顔を見せた。

 高校最後の夏で苦労の3年間が報われた。菅原は岩手県一関市出身。小4から野球を始め、千厩中でも軟式でプレー。全国各地の硬式経験者が集まる名門・花咲徳栄では、ベンチ入り18人の中にも“軟式上がり”は4人のみ。「軟式で来て、レベルが違いすぎる。序盤はずっと辞めたいと思っていた」。それでも、仲間や親に相談するたびに受け取った言葉に、「(その言葉は)お世辞かもしれないが、そのときの自分にとっては力になった」と、菅原を支えた。

 息子を岩手から埼玉に送り出し、「(妻は)毎晩泣いていた」と、父・良一郎さん(57)。3年間やり切った息子の一発に母・富久子さん(54)は「信じられない。地方大会では貢献できずにいたのでよかった」と語った。

 試合には敗れたが、強豪でスタメンマスクをかぶり、聖地で力を出し切った菅原は「全ての力を出し切ったので悔いはない」と、涙は見せず。公式戦最初で最後の本塁打で高校最後の夏を飾った。

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野球

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