星稜・奥川、94球で令和初完封 スカウト絶賛「松坂、ダル、マー君レベル」

7回、ナインに笑顔で合図を送る星稜・奥川(カメラ・渡辺 了文)
7回、ナインに笑顔で合図を送る星稜・奥川(カメラ・渡辺 了文)
完封勝利の奥川
完封勝利の奥川

◆第101回全国高校野球選手権第2日 ▽1回戦 星稜1―0旭川大高(6日・甲子園)

 星稜(石川)の今秋ドラフト1位候補右腕・奥川恭伸(3年)が、94球の1―0で令和初完封を飾った。ロッテのスピードガンでは最速154キロをマークし、3安打1四球9奪三振。旭川大高打線に三塁を踏ませなかった。大船渡・佐々木朗希(3年)らと並ぶ「BIG4」では唯一、駒を進めた聖地。全国制覇までの「必笑」を誓い、プロゴルフ全英女子オープン優勝の渋野日向子(20)=RSK山陽放送=のような笑顔を咲かせた。

 笑う門に浜風が来た。右翼に舞った打球に、奥川は一瞬肝を冷やした。「風によっては入っていた」。1点リードの9回1死。あわや同点弾の飛球が逆風に戻され、グラブに収まると、胸をなで下ろした。「笑っているといいプレーも起こりやすい。風にも助けられた」。3安打1四球9奪三振の令和初完封発進に白い歯をのぞかせた。

 スマイル・シンデレラに続いた。開幕前のミーティング。林和成監督(44)が渋野の話題を挙げた。「最後のパットまで楽しんでいる。ずっと笑顔。開会式の行進から余裕を見せて、笑っていこう」と送り出された。4季連続で迎えた最後の夏は、初回先頭を153キロで空振り三振。聖地のどよめきに「球場の雰囲気を変えられた。楽しめた」と笑みが絶えなかった。

 「必笑」をスローガンに掲げた14年夏の石川大会決勝(小松大谷戦)で、9回8点差を逆転サヨナラ勝ち。笑顔は伝統として息づく。宇ノ気小4年時からバッテリーを組む山瀬慎之助は「奥川は昔はやんちゃで、ガキ大将だった。今はいつもニコニコして、人を惹(ひ)きつける。変わったなと思います」と語った。

 笑う分だけ、さらに余裕が生まれた。3者連続三振の立ち上がりに、右腕は「初回だけギアを入れた」。ロッテのスピードガンでは最速154キロ。巨人・長谷川スカウト部長は「どこにどの球を投げるというのを、ここ(甲子園)でパフォーマンスできるのがすごい」と目を見張った。

 右ふくらはぎをつった昨夏の敗戦から経口補水液、塩分摂取もバッチリ。「涼しくて投げやすかった」。今春の履正社戦の17Kに続き、2季連続の初戦完封。わずか94球に「(春に比べ)スタミナは残っている」と不敵に笑った。

 星稜の夏通算20勝目を飾ったが奥川は「ベストを100としたら半分くらい。変化球の精度とか反省すべき点の方が多い」と口元を引き締めた。満開の笑顔は、石川勢初の全国制覇まで取っておく。(山崎 智)

 ◆各球団のスカウト評

 中日・米村スカウトチーフ「総合力の高さは高校生で一番。素材型の佐々木、総合力の奥川、馬力の西、左腕の及川。1―0で勝つのがエース。制球力や投げっぷりが川上憲伸に近い」

 ヤクルト・橿渕スカウトグループデスク「完成度に磨きがかった。松坂、ダルビッシュ、マー君のレベル。あとはローテに入るための体力をつけるだけ」

 西武・渡辺GM「嫌な展開でも完封。流れが変わりそうな中でも抑えている。高校野球で何が起こるか分からない中で、何かしら強いものを持ってるんだろうね」

 楽天・後関スカウト部長「球も強くなっているけど、一番は制球。意思通りに投げている。『ピッチング』をしてるよね。調子が悪くても勝てる投手」

試合詳細
7回、ナインに笑顔で合図を送る星稜・奥川(カメラ・渡辺 了文)
完封勝利の奥川
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