トンガ出身のマフィ&ヴァル、母国粉砕 相手のお株奪うモールで“力技”

後半5分、相手を引きずりながら突進するマフィ(カメラ・渡辺 了文)
後半5分、相手を引きずりながら突進するマフィ(カメラ・渡辺 了文)

◆ラグビー パシフィックネーションズ杯 第2戦 日本41―7トンガ(3日、大阪・花園ラグビー場)

 パシフィックネーションズ(PN)杯でトンガ代表に快勝し大会2連勝を決めた日本代表は、トンガにルーツを持つ桜の戦士たちが躍動した。先発したNO8のアマナキ・レレイ・マフィ(29)=NTTコム=、プロップのヴァル・アサエリ愛(30)=パナソニック=らが母国に“恩返し”トライ。「和の絆」をさらに深め、一枚岩となって悲願のW杯8強へ突き進む。

 母国に日本魂をぶつけまくった。足踏み状態だった前半10分だ。火ぶたを切ったのはマフィのトライだった。ラインアウトからモールで塊となって猛プッシュ。トンガのお株を奪う力技で先制点を挙げた。同20分にはヴァルがパワフルなプレーで追加トライ。モールからのサイド攻撃に出た主将のリーチからボールをもらい「気持ちを入れて思い切りいった」と、187センチ、115キロの巨体をぶち当て飛び込んだ。

 ウィングのレメキや途中出場のロックのウヴェ、FBのトゥポウら同じ境遇を持つ仲間たちが、特別な思いを胸に秘め臨んだ。先駆けとなったシナリ・ラトゥさんをはじめトンガ出身選手は87年W杯から日本代表の礎になってきた。系譜を受け継ぐマフィは、かつて夢見たトンガ代表をあきらめて日本を選択。「その話になると悲しくなるよ」と涙目になるが「全力で戦うよ」と切り替えた。MVPにも選ばれ、ジョセフ日本の象徴グッズ、日本刀に名前が刻まれることになった。ドーピング検査で試合後は取材対応がなかったマフィの心情をヴァルは「相手は俺たちの国だけど精いっぱいやった」と代弁した。

 リーチから日本の文化や歴史を教わる機会が増えた。外国出身選手の多いチームの絆を深めるためだ。トンガ戦前には「江戸時代の鎖国」を聞かされた。「鎖国をやめて外国文化を吸収し交ざり合うことで日本は強い国になっていった。今の日本代表もいろんな国の文化を吸収し、強くなっている」と教えられた。

 お笑い界の大御所、萩本欽一(78)の親戚という妻・愛里さん(32、旧姓・萩本)から電話で祝福を受けたヴァルは「電話の向こうで泣いてるのが聞こえて。代表の誇りが高まったよ」と日本愛がさらに深まった。

 次戦はフィジーでの米国戦だ。課題はブレークダウン(接点)でからまれ、球出しが遅くなったこと。W杯まで残り2戦。日本育ちの侍トンガ人たちが大暴れする。(小河原 俊哉)

スポーツ

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 マガジン報知 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請