倉木麻衣、デビュー20周年記念アルバム発売に詰めたファンへの「ありがとう」

スポーツ報知
中国でも人気の高い倉木麻衣。17日から国内ツアーが開幕する

 歌手の倉木麻衣(36)がデビュー20周年を迎える。高校2年時の99年にデビューし、初アルバム「delicious way」(00年)が353万枚を売り上げ、その年のセールス1位を獲得(オリコン調べ)。勢いそのままに第一線を走り続け、近年は社会活動にも積極的だ。これまでの軌跡をたどりながらデビュー当時の心境、20周年記念アルバム「Let’s GOAL!~薔薇色の人生~」(14日発売)への思いなどを語った。(加茂 伸太郎)

 受け答えの誠実さ、丁寧な言葉遣い、その端々から音楽に対するひたむきな姿が浮かぶ。無我夢中で取り組んできた20年間。倉木は「(20年の節目といえば)成人式ですからね。とても誇らしい気持ちです。倉木麻衣に関わる全ての方に育てていただきました。ありがとうの思いしかないです」と喜びをかみ締めた。

 99年にシングル「Love, Day After Tomorrow」でデビューし、いきなりミリオンセラー(売り上げ138・5万枚)を記録。続くシングル「Stay by my side」も92万枚以上のヒットを飛ばし、華々しいスタートを切った。

 一方でメディアへの露出を控え、周囲には歌手活動を公表しなかった。世間の熱狂ぶりもどこか他人事。「台風の目の中にいるような感覚。一学生として冷静に見ていました」。05年に立命大学を卒業するまで音楽活動と学業を両立させたが、「次の曲を作らなきゃというのと、試験勉強をやらなきゃというので時間との闘い。怒とうでしたね。(反響の大きさを感じる余裕が)全然なかったです。デビューして、CDショップに置かれた自分の楽曲を手に取る方を見た時、歌手になったんだなと初めて実感できました」。

 これまでシングル43枚、アルバム16枚を発表。その中でも日本テレビ系アニメ「名探偵コナン」(土曜・後6時)との縁は深い。担当したオープニング、エンディング曲は23曲を数え、17年には「同じアーティストにより歌われたアニメシリーズのテーマソング最多数」としてギネス世界記録に認定された。

 初の主題歌採用は3枚目のシングル「Secret of my heart」(00年)。「制服を着たままスタジオに行って、でき上がったのがこの曲です。『名探偵コナン』は単行本の1巻目から追っていた大好きなアニメ。試験でへこんでいた時期だったので、この話のおかげで頑張ることができました」

 初ライブはデビューから1年半以上がたった01年8月、大学の夏休み期間中だった。CS番組などは始まっていたが、変わらずメディア露出を抑えた状況でのステージ。「リスナーの皆さんの顔が分かって、たくさんの方々が聴いてくださっていたんだって…。その存在を知ることができて、自信につながりました」。ライブが音楽活動の原動力と呼べる、その由縁となる出来事になった。

 「ライブツアーはゼロから作り上げ、新しいことを発信していく。毎回、試行錯誤するけど、受け入れられた時の達成感が起爆剤になって『次も頑張るぞ!』という要因になっています」。3日の台湾公演で20周年のアジアツアー(全3公演)を終え、17日から国内ツアー(神奈川ハーモニーホール座間ほか全15公演)に突入する。「今は大成功させることだけを考え、全力を注ぎたい」と意気込んだ。

 分岐点がある。倉木は12年頃、歌うことができなくなるほどのスランプに陥っていた。英国に留学し、音楽を離れて充電期間に充てた。「途中で息切れしてしまって…。改めて自分自身を見つめ直しました。その時に音楽で支えられてきた、ファンの皆さんの思いに支えられてきた―と再確認できたので、今がある感じです」

 新アルバム「Let’s GOAL!~薔薇色の人生~」には、そんなファンへの20年分の「ありがとう」の思いを詰めた。「ライブを通じて夢や希望、前向きな思いを一緒につないできた。それをかなえられるアルバムにできたら」。「応援」をテーマに制作し、「Let’s Go!」や「薔薇色の人生」「幸せの扉」など12曲を収録した。

 初回盤特典では、レコード会社の先輩であるZARDの「負けないで」をカバーした。2月の音楽番組で、最新の映像技術で再現されたボーカルの故・坂井泉水さんと同曲をデュエット。坂井さんのファンから「大切な名曲をいろいろな方に伝えていただきたい」と背中を押された。「学生の頃からカラオケで歌っていました。自分なりの大好きという思いを、歌わせていただきました。坂井さんの思いが、少しでも伝わったらうれしいです」

 3月の東京五輪500日前イベントでは「Stand Up」「ベスト オブ ヒーロー」を歌唱。来年に迫った東京五輪・パラリンピックを意識した作品にもなっている。初回盤ジャケットはバラのレリーフをイメージしたデザインで、青、黄、黒、緑、赤の五輪カラー5種類を用意。世界5大陸の色を俗説とは変え、倉木のイメージする各大陸の文化、景色の色に合わせて写真も撮り下ろした。「世界から注目され、日本の良さを発信できるチャンス。今からワクワクしますね。いろいろな国の方々が(日本を)『ステキだな』と思ってもらえるように、私も音楽を通じて携われたら幸せです」

 デビュー25周年、30周年に向けて、倉木は「一期一会を大切に、目の前にあることを頑張っていきたい。それは、この先も変わりません」と語った。「水族館やテーマパーク、トライしたことのない会場でライブをしたいし、(私にしかできない)いろいろなエンターテインメントの見せ方を考えていきたい。アウトプットするだけじゃなく、インプットも。いろいろな世界を見て(見識を広げて)刺激を得たいですね」。貪欲に、そして淡々と、歩みを進めていく。

 倉木は14年3月のカンボジア訪問をきっかけに、発展途上国の貧困地域に学びの場を作り、読み書きのサポートを行う「世界寺子屋運動」の活動に賛同。「みんなでカンボジアに寺子屋を建てよう!プロジェクト」をたちあげ、16年2月に同国のトレイノル・コミューン・コックドン村に寺子屋を完成させた。

 「現地での活動を継続的に応援したい」という思いからプロジェクトを設立。ホテイアオイバッグなど、寺子屋で学んだ女性たちの手作り製品をチャリティーバッグとして販売する企画を実施した。「発信すべきという使命と、現地の子供たちの笑顔を見て『何とかしてあげたい』という気持ちから」と説明。「生まれた時から地球と一緒。地球も命だし、地球のおかげで生きているというシンプルな気持ちから、お返しをしていきたいと思いました。ボランティアの輪を広げ、自分にできることを行っていきたい」と話した。

 ◆倉木 麻衣(くらき・まい)1982年10月28日、千葉県生まれ。36歳。立命大卒。マイケル・ジャクソンやホイットニー・ヒューストンの影響を受け、歌手を志す。99年10月シングル「Baby I Like」で全米デビュー。2000年「Reach for the sky」がNHK連続テレビ小説「オードリー」主題歌。18年中国最大の音楽アワードで最高栄誉・アジア風雲歌手を日本人初受賞。03年NHK紅白歌合戦初出場(計4回)。16年から立命大客員准教授。

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