◆広島7―0阪神(2日・マツダスタジアム)
広島がサビエル・バティスタ外野手(27)の満塁弾などで阪神を圧倒して3連勝。首位・巨人に6月30日以来の水準となる3ゲーム差に肉薄した。
バティ砲の打球はグシャッという音を立てて左翼席に飛び込んだ。3―0の6回2死満塁。昨年7月27日の中日戦以来、来日2発目のグランドスラムだ。これで10試合連続安打。アーチ数も昨季に並ぶ自己最多タイの25本になった。両腕をクロスさせて自身の名(Xavier=サビエル)を誇示する「Xポーズ」で大瀬良らと喜びを分かち合い「シーズン最後までに、あと5本打てたらいいね。でも30本になったら、またエキストラの目標を立てるよ。本塁打王も意識してないけど、なれたらいいね」と分厚い胸を張った。
先月下旬に父・ホセさん(56)が初来日。ドミニカ共和国の実家では、なぜかバイクに菊池涼のステッカーを貼っている“赤ヘル党”だ。大きく成長した孫のアメイリアちゃん(11か月)、初めて乗る新幹線、東京の街並み。何にでも驚きっぱなしのパパの横顔を見ていると、ジャパニーズ・ドリームをかなえつつあることが誇らしくなる。「どんどん稼いで、どんどん家族にプレゼントしたい」とさらなる親孝行を誓った。
緒方孝市監督(50)は「バティはきょう、それまで全く“ノー感”(打てる感じがしない)だった。期待してないとは言えないけど、ああいうことがあるからね」とホクホク顔。王者の鯉が、兎のしっぽをガッチリつかまえた。