今夏の“海外移籍ブーム”には、日本人若手の移籍金が下がっている背景がある。
近年は海外に行きたい選手の意向を反映し、Jクラブが海外移籍には低い移籍金を設定するケースが増加。今夏にクラブに1億円以上の移籍金を残したのは、バルセロナに移籍したMF安部だけ。Rマドリードへ移籍した久保も、契約満了により移籍金はゼロ。久保のケースは異例だが、これではクラブは何のために選手を育てるのか分からない。
16年夏には広島FW浅野拓磨がアーセナルに500万ユーロ(約6億円)で移籍するなど、日本人が世界から高く評価され始めた時期もあった。しかし近年は、クラブが選手の“夢”を後押しせざるを得ない状況に陥っている。Jクラブは選手に“帰属意識”を持ってもらえるような教育を、選手には育ててもらった恩を移籍金で返すという意識が高まればと感じる。(サッカー担当・金川 誉)