「らき☆すた」舞台の埼玉・鷲宮神社で「京アニ! 京アニ!」神輿揺れた

「京アニを励ましたい」というファンによって担がれた「らき☆すた神輿」
「京アニを励ましたい」というファンによって担がれた「らき☆すた神輿」

 放火殺人事件で35人が亡くなった京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」の代表作「らき☆すた」の物語の舞台となっている埼玉県久喜市の鷲宮(わしのみや)神社で28日、夏祭り「八坂祭」が行われ、同作のキャラクターが描かれた「らき☆すた神輿(みこし)」が約60人のファンによって担がれ練り歩いた。

 地元の山車に続き、「京アニ! 京アニ!」の掛け声とともに「らき☆すた」のキャラクターが描かれた神輿がファンの肩の上で揺れた。平成以降では最悪の犠牲者を出した凄惨(せいさん)な事件から10日。京都アニメーションの関係者や被害者の親族、そして作品のファンに勇気を与えようと、担ぎ手たちは声を振り絞った。

 女子高生の日常を描いた「らき☆すた」は「聖地巡礼」が行われるようになった作品の走りともいわれる。登場するキャラクターの自宅のモデルとされている鷲宮神社の祭りに神輿が参加するようになったのは、アニメ放送翌年の2008年。今では“風物詩”となったが、今年は事件を受けて参加取りやめも検討された。「らき☆すた」を監督した武本康弘さん(47)は安否が分かっていない。「らき☆すた神輿準備会」の代表を務めるさいたま市の会社員・大木敏久さん(40)は「当初は、祭りをやる精神状態ではありませんでした」。

 しかし、途中から考えを改めたという。「『自分たちには神輿があるじゃないか』と。これを担ぐことで、事件で心を痛めている人を元気づけられれば」。出発前には全員で黙とう。そして、京アニの関係者はもちろん、アニメファンにも力を、とばかりに「俺たちの元気を、京都にまで届けるぞ!」と呼び掛けると、全国から集まった約60人の担ぎ手は「ウォーッ」と声を上げた。例年は、登場キャラクターの名前を掛け声としているが、この日はクライマックスの場面で掛け声を「京アニ」に変更した。

 今年が9回目の参加となる岩手県盛岡市の会社員・吉田真生さん(43)は「自分はこれまで、作品に元気をもらってきた。今度は自分たちが助ける番じゃないかな、と思って参加しました。この神輿のことが報じられることで、全世界のファンに思いが届けばと思います」。また、地元・久喜市に住む男子高校生(18)は「『自粛した方がいい』という考えも分かるが、自分は開催に賛成しています。みんなが気持ちを一つにして神輿を担ぐことで、ファンや関係者の力になれば」と話していた。

 ◆献花の代わりに絵馬が続々奉納 

 鷲宮神社内では献花台などを設けられないことから、準備会はファンに向け「神社でやその周辺では献花をせず、代わりに絵馬を奉納しましょう」と呼び掛けた。神社内にある奉納所には、「らき☆すた」のキャラクターや「京アニ頑張れ」「被害者の方の一日も早い回復を祈ります」「二度とこのような事件が起こりませんように」などのメッセージが書かれた絵馬が多数結びつけられ、その数は日ごとに増えている。

 ◆「ヴァイオレット―」新作劇場アニメ予定通りに公開

 京都アニメーションが制作を手掛けた新作劇場アニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝―永遠と自動手記人形―」が、当初の予定通り9月6日から公開されることが28日、決まった。同映画の公式サイトで発表された。当初は2週間限定公開の予定だったが、1週間延長され、3週間限定公開となった。「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は昨年放送されたテレビアニメ。来年1月には新作の劇場版公開も予定されている。

社会

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 マガジン報知 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請