難関国立・千葉大、全員で目指す予選会 エース今江は関東学連で箱根へ

練習に励む千葉大・今江勇人
練習に励む千葉大・今江勇人
箱根駅伝の予選会出場を目指す千葉大の選手ら
箱根駅伝の予選会出場を目指す千葉大の選手ら

 難関国立の千葉大が箱根駅伝予選会(10月26日、立川市)の出場を目標にチーム一丸で立ち向かっている。昨年は出場条件を満たせず、欠場。2年ぶりの予選会挑戦へ士気は高まっている。エース・今江勇人(4年)は関東学生連合入りの可能性を持つ実力派で、今年の箱根駅伝で連合の1区を担った東大出身の近藤秀一(現GMOアスリーツ)にアドバイスを受け、さらに成長中。千葉大ランナーは「全員で立川へ、今江は箱根へ」を合言葉に日々、走り込んでいる。

 「箱根への道」は険しい。シード校(前年度の本戦10位以内)を除いた大学は、秋に立川市で行われる予選会を突破しなければ、新春の箱根駅伝本戦に出場することはできない。ただ、予選会にも無条件で挑戦できるわけではない。有効期間内に1万メートル34分以内の公認記録を出した選手を10人以上そろえる必要がある。常連校や本戦出場を目標とするチームにとっては難しい条件ではないが、スポーツ推薦制度を持たない大学にとってはハードルは高い。

 夏本番を迎えた今、千葉大は「箱根への道」を目指す前に「立川への道」を必死に駆けている。予選会の出場資格は、前々回まで「5000メートル16分30秒以内、もしくは1万メートル34分以内」だったが、前回から「1万メートル34分以内」だけに変更。条件が厳しくなり、出場校は49校から39校に激減した。1人だけ足りなかった千葉大は無念の欠場となった。今季、男子長距離部員は15人だけ。現在、資格記録を有する選手はまだ7人。「10人と言わず12人そろえたい。僕自身、まだ資格記録がないので、34分を切ってチームに貢献したい」と主将の石井翔太(3年)は言葉に力を込める。

 今年の千葉大に活気を与えているのがエース・今江だ。6月の日本学生個人選手権3000メートル障害で2位と健闘。予選会の敗退校で編成される関東学生連合のメンバー入りの可能性を秘めている。今年の箱根駅伝では東大の近藤秀一が関東学生連合の1区を走り、大きな話題になった。「文武両道とは近藤さんのためにあるような言葉。僕も近藤さんのような選手になって箱根駅伝を走りたい」。千葉大初の箱根駅伝ランナーへ強い意欲を示す。

 6月には、目標とする近藤と合同練習を行い、貴重なアドバイスを受けた。「予選会(ハーフマラソン)では1キロ3分5秒ペースの大集団ができるから、その流れに乗っかればチャンスはある、と言ってもらいました」。1キロ3分5秒ペースの8~12キロ走を単独で行い、着実に走力をアップさせている。

 ただ、千葉大がチームとして予選会に出場しなければ、今江が関東学生連合に選出される可能性はゼロ。プロランナーの川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)は学習院大時代に、有効期間締め切り直前の記録会にペースメーカーとして参加し、チームメートをサポートした。10人目の選手が土壇場で資格記録を満たし、ギリギリで予選会に出場したことで、川内は関東学連選抜(現関東学生連合)の一員として6区に出場したという伝説を持つ。「(資格選手は)10人以上になると信じていますが、いざとなれば、記録会で僕がペースメーカーをやります」と強い覚悟を明かす。

 千葉大を含め、予選会出場のボーダーラインにいるチームにとって、今年は“追い風”がある。予選会の開催は例年より1週遅い10月26日で、資格記録の有効期間は例年より2週遅い10月14日まで。夏場に鍛え抜き、涼しくなった時期に資格記録を狙うことができる。できるだけ早く10人に達することが理想。ラストチャンスと見据えている10月12日の順大競技会までチーム一丸で立川切符をつかみ取りに行くつもりだ。

 学校を挙げて強化する大学の駅伝チームは、ほとんどの選手がスポーツ推薦制度で入学し、選手寮など練習環境も整っている。対照的に千葉大は状況が全く異なる。全員が受験を突破して入学。多くの学生がアパートで一人暮らしをしながら練習と学業の合間にアルバイトに励んでいる。スーパーマーケットでアルバイトをしている今江は「試合や合宿でお金がかかりますから、その分、働かないと」と爽やかに話す。

 主務を兼務する岡村優太(3年)は目を輝かせながら語る。「箱根駅伝は中学生の時から夢。予選会に出場して、その夢を追いかけたい。そして、今江さんが箱根駅伝を走る姿を見たい」。千葉大は箱根駅伝常連校に比べれば、競技力は劣る。ただ、箱根駅伝にかける情熱は決して負けていない。(竹内 達朗)

 ◆第96回箱根駅伝予選会

 ▽日時、コース 例年より1週遅く、10月26日開催。午前9時35分、東京・立川市の陸上自衛隊立川駐屯地スタート。国営昭和記念公園ゴールの21.0975キロ。

 ▽出場資格 選手登録は各校14人以内。18年1月から19年10月14日までに1万メートル34分以内の公認記録を有すること。有資格者が10人未満の大学は出場できない。外国人留学生の出場は各校1人まで。

 ▽競技方法 全選手が一斉スタート。各校、登録選手の中から12人以内が出場し、上位10人の合計タイムで争う。10位までの大学が本戦の出場権を獲得する。

 ▽関東学生連合 予選会で敗退した大学の中から個人成績上位者を中心に選考。1校1人に限定し、これまで本戦出場経験がない選手が対象。外国人留学生を除く。本戦ではチーム、個人ともに順位がつかないオープン参加となる。

 ◆今江 勇人(いまえ・ゆうと)1998年1月26日、仙台市生まれ。21歳。仙台三高3年時に3000メートル障害で宮城県大会3位。16年に千葉大工学部入学。自己ベストは5000メートル14分36秒40、1万メートル30分28秒78で、いずれも千葉大記録。来春、卒業後は大学院に進学予定。173センチ、55キロ。

 ◆千葉大 1949年に千葉医科大、千葉師範学校などが統合され、新制大学として創立。現在、10学部を有する総合大学として人気。文部科学省によると、19年度の一般入試志願者数は国公立大学で最多の1万611人だった。陸上部創部は1949年といわれる。箱根駅伝の出場歴はチーム、個人ともになし。一昨年の予選会は49チーム中35位。ギリギリの10位で本戦出場権を獲得した東京国際大とは1時間8分59秒差だった。

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