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THE RAMPAGE・吉野北人の真剣役者道…王子の次は「えっ、ヤンキー役!?」

スポーツ報知
インタビューに応じる「THE RAMPAGE」の吉野北人(カメラ・頓所美代子)

 人気ダンス&ボーカルグループ「THE RAMPAGE」の吉野北人(22)が出演するドラマ「HiGH&LOW THE WORST EPISODE.0」(日テレ系)が17日にスタートした。「HiGH&LOW」と「クローズ」のクロスオーバーした作品で、吉野は主人公・花岡楓士雄(川村壱馬)をリーダーに押し上げようとする参謀役で登場。「自分がヤンキー役?」と驚きもあったようだが、役作りにかなり腐心したようだ。今やランページの顔となっているが「メンバーには迷惑をかけっぱなしで、自分が役者をすることで恩返ししたい」とも。武者修行で味わった屈辱やプライベートまで聞いた。(国分 敦)

 「HiGH&LOW」の新作はテレビ放映後の10月4日に映画版が公開されるヤンキー大作で、映画では「クローズ」の原作者・高橋ヒロシさんが脚本も手掛けている。「PRINCE OF LEGEND」で王子役を演じた吉野にとっては180度違った役どころで戸惑いもあったという。

 「プリンスとは真逆で、びっくりですよね。自分はキャラクター的にもハイローには関わらないのかなと思っていた中で、マネジャーから『もしかしたら出るかも』『えっ、マジですか』みたいな。『けっこうおいしい役』って言われて、なおさら『これはヤバい』って思いました。とにかく見た目というか、自分は顔面的に怖いとか強いイメージはないと思うので、どうしたら存在感や強いオーラを出せるかを考えました。壱馬はプリンスの時もヤンキー王子で、今回とあまり変わらない役でしたね。2人で特別、話をしたということはなかったんですが、レッスンの時に演出をつけてくださっている方にいろいろアドバイスを受けました」

 ―見た目は意識した。

 「はい。金髪にしたのもそのためで、見た目も強く見えるようにオールバック風でちょっとウルフっぽい髪形にしました。体も大きくしようとランペの武知海青からアドバイスをもらって、仕事終わりでジムに通っていました。1か月ぐらいでしたが体つきはしっかり変わりましたね。筋肉つけようとプロテインを毎日4、5杯飲むんですが、これがきつかったな~。たぶん体重5キロぐらい増えたと思います。役作りで参考にしたのは『クローズ』で高岡蒼佑さんが演じた伊崎瞬。周りを見ていて自分の立場も分かりながら、やる時はやるみたいな。立ち位置が僕の演じる高城司と似ている。楓士雄のことを信頼している司の覚悟が、映画では描かれているんじゃないかなと思います」

 歌手と役者業の二足のわらじをこなしているが、子供の頃から芸事に興味は持っていたようだ。

 「役者憧れてました。小さい頃は風呂場の鏡に向かってよくドラマの台詞(せりふ)を言ったりしてました。けっこうナルは入っていますかね(笑い)。でも、最初になりたいと思ったのは歌手かな。昔から歌が好きだったけど人前で歌うのができない子でした。中学生の時に女の子に『EXILEのTAKAHIROさんに似ている』と言われて、気になって調べたらかっこよくて『こんなアーティストになりたい』と本気で考えるようになりました。で、高2の文化祭。両親も来ていた中で初めて人前で歌ったら、意外にも『人に聴いてもらえるのが気持ちいい』と感じて、カラオケ大会にも出るようになりました」

 歌手への思いが強くなりボーカルバトルへ応募するが、合格する予感はずっと感じていたという。

 「親に打ち明けたのはオーディションの1週間前。お兄ちゃんはこの世界に興味もなく、家族から反対はなかったですね。1、2次審査を勝ち上がっても正直『だろうな』って感じでした。僕、絶対に受かるって思っていましたから。中学生の頃から『俺はEXILEに入る』と口にしていまし、高校の時って夢がないと焦るじゃないですか。でも、自分には焦りは全然なくて(EXILEになるのが)分かっていたといったら変ですけど、本当に100%予感があった。ちょっとバカかもしれないですけど…。でも、合宿審査でダンスの時は一瞬、『ダメか~』と思いました。周りはEXPG出身ばかりで自分はリズム取る動きすらできない。もう孤独感しかなくて、悔しくて隠れて泣いたらカメラマンの方にしっかり撮られていました。でも『きっと大丈夫』という思いもずっとどこかにはありました」

 予感通りにオーディションに合格してランページの候補生に。だが、そこから順風満帆とはいかなかった。

 「HIROさんに(合格の)名前を呼んでいただいた時はめっちゃ泣きました。でも、RIKUさんが呼ばれて『えっ(ボーカルが)3人なの。もしかしたら1人落とされるかも』みたいな怖さも感じて、改めて気を引き締めました。ランペってみんなEXPG出身者で僕だけが違う。その時点で合宿に引き続き、そういう(孤独感)のもありました。で、正式メンバーになってデビューするんですが、自分のせいでデビューが遅れたと思っています」

 ―迷惑とは。

 「本当に情けないんですけど、ダンスを含めて全てのレベルが追いついてなかったです。武者修行の時にボーカル1人ずつ入れて3グループに分かれて回ることがあったんですが、そこでボーカルの重要さや覚悟、責任だったりを突き詰められました。意見箱に寄せられたファンのメッセージを反省会で読んだんですが『ボーカルがもっと前に出た方がいい』『もっと歌を磨くべき』とかリアルなことが書いてあって、あれはきつかった。それがあったから今があると思います。本当に…。今、役者とかやらせてもらっていますけど、みんなに迷惑かけ続けた分、自分が表に出ることによってチームが知ってもらえると思うし、もっと活躍して恩返ししていきたいです」

 ボーカルとしてグループを引っ張る自覚も芽生えてきた。今年、初のアリーナツアーを体験して感じることが多かったという。

 「歌は当たり前ですが、ファンの方に対しての考え方が改めて変わったと思います。会場が大きい分、同じ値段を払っても席が遠い人がいるじゃないですか。そんな方にもみんなと同じぐらい楽しんでほしいんですね。一人でも楽しんでいない人がいるのが僕らも嫌なんですよ。そんな姿がステージから目に入ることもありますし、今はSNSも盛んなので『ファンの人の上げていた手でステージが見えなかった』とか書き込みがあると、僕らも感じることも多い。ライブの空間だけはみなさんストレスなく、むしろストレスを解放してほしいぐらいなので、そこはすごく気を使います」

 ―去年までとは違う。

 「昨年までは言ってみれば『俺らのパフォーマンスを見てくれ』みたいなのが強く出て、自己満足じゃないですが、いい意味で自分勝手だったかなと。もちろん歌に関しては気持ち込めて歌うんですが、それにしてもそこまで考えられていなかったと思います。アリーナツアーをやってキャパを埋めている事実もあります。僕らのパフォーマンスを求めてくれる方がいるので、自分たちのパフォーマンスに対してより責任も感じますね、最近は。なにせ高いお金を払って、しかも時間を割いて見に来てくださっているワケですから。金額以上のことを感じていただきたいなと思います」

 昨年から役者業に進出したが、歌い手として相乗効果も実感しているようだ。

 「お芝居だと役に入るためにすごく集中しなくちゃいけないじゃないですか。それと一緒で歌もすごく集中しないと、歌のリリックだったりとか、そういう表現って伝えられないのかなというのを感じています。最近、集中力ってめちゃくちゃ大事だなって、お芝居を通じて強く感じているんですね。近頃はだいぶ集中力ついたなって思いますよ。この間も(Jr.EXILEの公演を)4日間やったんですけど、人ってコンディションや喉の調子も違うから同じ気持ちでやれないじゃないですか。そういった中でも集中することでクオリティーのあるステージを見せられたと思います。HIROさんは常々、『アーティストは集中力と緊張感が大事だ』とおっしゃっていて、集中すればするほど緊張もすると改めて感じました。逆に集中していないと、何も考えていなから緊張感もなくなってクオリティーが保てなくなると思います」

 ―素に戻れる瞬間は。

 「普段から素で人によって態度変えません。やっぱりメンバーといる時とか家族の前では素でいられるかな。基本的には家にいる時、落ち着きます。最近、料理しています。自炊しているんで『今日、何を作ろうか』ってのが唯一の楽しみです。この間はビビンバ作っておとといはオムライス。今日帰って鍋作ろうかなと思います。インスタで料理のお手本になる動画をフォローして見ながらやっています。簡単にできますよ。買い物もスーパーに普通に行って買いだめます。意外とバレないです」

 穏やかな中にも芯の強さを感じる。一歩引きながらも負けず嫌いなところが垣間見える。真の意味で遠慮がなくなった顔が見たい。

 ◆RIKUは自由、壱馬はランペの基盤

 ―ランページの3人のボーカルの特徴をどう見ている。

 「RIKUさんは自由だなって思います。一緒にニューヨーク行った時、あちらの方とすぐ仲良くなってどこでも歌っていました。普段から自由に振る舞えるから伸びやかに歌えると思います。声だとやっぱりRIKUさんはハイトーン出ますからね。自分はハイトーンボイスじゃないんですが、そこは人それぞれ。自分にもいいものあるからそこは自信持っていきたいです。壱馬も声でランペの基盤を作っていると思います。壱馬のローだったり力強い声質が、ランペらしさをより引き出しているのかなとは思います。僕ですか? バラードコーナーは自分の得意なジャンルかなというのはあります。よく『繊細だね』と言われるんですが、その繊細さをより前にストレートにお客さんに伝えられるバラードコーナーは気合が入ります」

 ◆31日発売の新曲で魅せた新たな一面

 31日にシングル「WELCOME 2 PARADISE」を発売する。

 「今まではゴリゴリなヒップホップテイストが多かったですが、新曲はラフでノリがいいです。メンバーみんな二十歳を超えて大人になり始めた今だからこそできた楽曲かなと。ミュージックビデオでも初めて女性を起用しました。大人っぽくてセクシーな雰囲気で、今までランペがしてなかったことをやっています。若さだけとか勢いだけとか、それだけじゃない新しいランペの一歩になったシングルだと思いますし、これからもっと振り幅のある楽曲をどんどん作っていきたい。それはライブをやって感じました。あっ、ハイローの戦闘シーンで『SWAG&PRIDE』『FIRED UP』の2作品が使われています。ゴリゴリの曲でいずれシングルなりアルバムに収録されると思います。こちらも期待してください」

 ◆切磋琢磨「Jr.EXILE」

 今月、ジェネレーションズ、ランページ、ファンタスティックス、バリスティックボーイズの4組が「Jr.EXILE」として活動を開始した。

 「ライバルがぶつかり合っているという世界観なんですが、4チームが同じ方向を見ないと本当にバラバラになっちゃうから、そこは気をつけました。後輩2チームに対して焦りはないですけど刺激はありますよ、やっぱりスキルもレベルが高いですから。経験は僕らが圧倒的に積んでいて、そこは自信をもって僕らからも後輩に伝えられることがあると思っています。HIROさんが『一体になればよりいいものができる』とJr.EXILE世代を立ち上げました。違うグループが同じ事務所ということで、一体となることによって盛り上がれるはず。10年ぐらい続けると聞いていますが、グループが次々変わって永久的に続くかもしれませんね」

 ◆吉野北人(よしの・ほくと)1997年3月6日、宮崎県出身。22歳。中学時にEXILEのTAKAHIROに憧れて歌手を意識する。2014年に「ボーカル・バトル4」に挑戦し、THE RAMPAGEのボーカル候補生に選ばれる。武者修行を経て正式メンバーとなり、17年1月に「Lightning」でメジャーデビュー。18年にドラマ「PRINCE OF LEGEND」(日テレ系)で同じグループのボーカル・川村壱馬とともに俳優デビューを果たす。特技はバスケット。血液型A。

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