ひふみん「攻める勇気」東京五輪出場選手へ「加藤流勝負3原則」

選手にエールを送った加藤一二三九段
選手にエールを送った加藤一二三九段

 「ひふみん」こと将棋の引退棋士・加藤一二三九段(79)は男子バレーボール予選のチケットをゲットし、1年後を心待ちにする。64年大会に続いて東京五輪を体感する天才は、日の丸を背負う選手たちへ「加藤流勝負3原則」を掲げた。

 ひい、ふう、みい…。五輪まで残り1年。加藤は指折り数え、開幕を楽しみにしている。「なにはともあれ、世界平和の祭典ですからね。主催国として、素晴らしい『お・も・て・な・し』をしましょう!」。国民に向け、早口でまくし立てた。

 既に男子バレーボール予選のチケットは4枚ゲットした。「あれあれ? 当たりましたよ、と。娘のですが…。妻、娘、あとは誰にしましょうか…」。バレーは小中学校でプレーした大好きな競技。64年当時も「東洋の魔女」に熱視線を送った。「ポーランド戦などチームプレーが素晴らしく、覚えておりますよ」。決勝ではない渋い一戦を挙げ、通っぷりをのぞかせた。

 64年大会では、ボクシングで桜井孝雄がバンタム級金メダルに輝いたシーンを目撃した。「チケットを購入したことを覚えております。実際に見て…あれあれ? 生で見たかテレビだったか少し不安になってきましたが…いずれにしても大変感動いたしました」。国立競技場の前にあった旧将棋会館の一室が報道陣に開放され、取材の前線基地になった日々を昨日のように覚えている。

 頭脳競技と肉体競技の差こそあれ、将棋も五輪も勝負事であることに変わりはない。だからこそ伝えられることがある。「まず大切なのは睡眠です。(宿舎で)隣や上階の部屋、空調がうるさい部屋は迷わず替えてもらいましょう。私はタイトル戦で部屋を3度替えて3戦全勝でしたよ」。勝負師に遠慮は禁物と強く訴える。「食事も好きなものを食べないとテンション上がりません。夏場ですけど、私は(五輪開催期間と同時期の)1982年7月30、31日に将棋会館での名人戦第8局で中原誠さんに勝って名人になった時、2日とも朝食はホテルニューオータニのバイキングで好きなものを食べ、昼は好きな天丼でした」

 そして、当然ながら勝負の現場で心掛けるべきものがある。「攻める勇気です。勝負は最後、攻撃で決まる。名人になるまで私の攻めは中原さんに比べて生ぬるかった。しかし、攻める勇気を持つメンタリティーで勝機を捉えたのです」。タレントではなく、元名人として指南する勝利へのメッセージだった。(北野 新太)

 ◆阿部一二三に期待

 注目選手には、やはり「柔道界のひふみん」こと柔道男子66キロ級金メダル候補・阿部一二三(21)を挙げ「まさしく同名。妹さん(女子52キロ級・阿部詩)もいらっしゃいますし、楽しみです。素朴に思うのは、どうして同じ名前かと…。まだお会いしたことがないので、お目にかかりたいものです」とダブルひふみんコラボに意欲。ちなみに、加藤の名前は〈1〉1月1日生まれ〈2〉皇紀2600年(西暦1940年)生まれ〈3〉三男が由来だと明かした。

 ◆加藤 一二三(かとう・ひふみ)1940年1月1日、福岡県嘉麻市生まれ。79歳。54年、当時最年少の14歳7か月で四段(棋士)昇段。18歳でA級棋士となり「神武以来(じんむこのかた)の天才」と称された。69年に初タイトルの十段を獲得。82年、悲願の名人に。一昨年6月、引退。通算2505局(歴代1位)1324勝(同3位)、1180敗(同1位)。引退後はタレントとして活躍中。

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