八村塁は有言実行の男 1年前に予言したことも現実になった

八村塁(ロイター)
八村塁(ロイター)

 バスケットボール男子日本代表の八村塁(21)は、日本スポーツ界で最も注目を浴びる選手のひとり。日本時間6月21日のNBAドラフトでは日本人初の1巡目全体9位でウィザーズから指名を受け、田臥勇太(38)=宇都宮=、渡辺雄太(24)=メンフィス・グリズリーズ=に続き、日本人3人目のNBAプレーヤーとなった。NBAドラフトは2巡目までしかなく、60人しか名前をコールされない。とてつもなく狭き門をくぐり、八村は歴史を変えてみせたのだ。

 関係者によると、八村は小さい時から現在の自分を予言していたという。小学生の時には「自分はこんなところで終わる男じゃないんだ」「俺は世界に行く」と担任の先生や友達に宣言。所属していた野球チームの仲間にも「俺は有名になる」と誓っていた。中学時代には取材に「(NBAのスーパースター)レブロン・ジェームズになりたい。チャンピオンリングを3個取る」と言い放った。「アメリカでプロのバスケットボール選手になりたい」と語ったのは高校入試の面接の時。夢を次々と現実にしてきた。

 まだ続きがある。昨年7月3日。W杯アジア1次予選を突破した八村ら日本代表が羽田空港に帰国した。この時に取材したメモを見返すと、八村は1つの予言をしていた。取材に来たメディアはスポーツ報知を含め、たったの3社。八村を記者3人で囲み、約10分間も話を聞くことができた。人気者となった今では考えられないことだ。

 1年前はちょうどサッカー・ロシアW杯の真っ最中。八村が帰国した前日の7月2日は、日本が決勝トーナメント1回戦でベルギーと戦った。2―3で敗れたものの、終盤まで熱戦を繰り広げた。

 「(日本対ベルギーを)見ていました。すごくいい試合だったなと」と八村は感想を述べた。そして続けた。「でも、これからもっとバスケが盛り上がっていくっていうのは自分でも感じています」

 その言葉どおり、この1年間でバスケットボールへの注目度は急上昇した。21年ぶりのW杯自力出場、44年ぶりの五輪出場、そしてNBAドラフトで八村の名前がコールされ、バスケ界だけでなく、スポーツ界全体をにぎわせた。国内のBリーグもB1、B2合わせて総入場者数が259万人超と開幕から3年連続で増加。さらに過去15年間で日本人5人しか参加しなかったNBAの若手の登竜門・サマーリーグには今夏だけで4人も参加。八村、渡辺に加え、Bリーグから比江島慎(28)=宇都宮=、馬場雄大(23)=A東京=が参戦し、世界から少し遅れを取っていた日本バスケ界に変化が訪れている。

 長い歴史の中でもここまでの盛り上がりを見せた年はないだろう。八村は1年前に描いていたバスケ界の現在地を自分の力で現実にしてみせた。(小林 玲花)

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