れいわ新選組、議席を獲得 山本太郎代表「奇跡」 特定枠でALS患者の舩後靖彦氏が当選

 令和初の国政選挙となった第25回参院選は21日、投開票された。自民、公明両党は、目標とした改選124議席の過半数63議席以上を獲得。第2次安倍政権が発足した2012年衆院選から、大型国政選挙は“6連勝”となったが、改憲勢力は3分の2を割った。野党勢力で台風の目として注目された山本太郎代表(44)率いる政治団体「れいわ新選組」は、比例で1議席を獲得。「特定枠」1位で擁立された筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者で、介護会社副社長の舩後靖彦氏(61)が当選し、2議席目をうかがう勢いを見せている。

 れいわ新選組が設けた都内の会見場。午後8時の開票から数分後、比例で出馬した舩後氏の当確がテレビで報じられると、詰めかけた約250人の支援者から歓声と涙が入り交じった拍手が湧き起こった。

 舩後氏はALS患者で、現在は自力で体を動かすことは困難な上に話すこともできない。介護会社の副社長を務めるかたわら、歯でかむセンサーでパソコンを操作しながら詩歌などの創作活動にも取り組んでいた。

 登壇した舩後氏は、話せないために前もって用意した文言を介助者が披露する形で喜びを伝えた。「選挙戦でみなさんの行動が少し変わってきたように感じました。いつもいっぱいの障がい者専用エレベーターでも『優先でしたね、降ります』と言ってくれるようになった」と変化を実感。「命懸けの挑戦なのですから。弱々しいかもしれませんが根性だけは人一倍。これからもよろしくお願いします」と決意表明した。

 山本代表によると、ALS患者の国政選挙当選は世界初。国会議員では徳田虎雄元衆院議員が在職中に発症した例はあるが、発症後に出馬して当選した例は過去にはないとみられる。山本氏は「寝たきりだといって、何も価値がないということはない。生産性で人間の価値をはかられている世の中で、知見を持っている舩後さんのような人を国会に送り出すことは重要」と熱弁。ガラガラ声でテレビ局との中継に臨んだあと「タンの吸引、必要なのは舩後さんじゃなく俺だった」とジョークを飛ばして大ウケとなった。「みなさんのおかげですよ。こんな奇跡」と呼び掛け、拍手を浴びた。

 「れいわ新選組」は個人の得票に関係なく優先的に当選できる「特定枠」に舩後氏を1位、脳性まひで首から下が動かない木村英子氏(54)を2位に入れた。政党要件を持たない諸派が比例議席を得るのは、2001年の非拘束名簿式導入から初めてとなる。

 ◆特定枠 今回の参院選から導入された比例代表の優先枠。個人の得票順に当選が決まる非拘束名簿式とは別枠で、政党が当選させたい候補をあらかじめ指定し、得票数にかかわらず上位で扱われる。自民党が合区対象県の現職を救済するため新設を主導し、改正公選法を昨年成立させた。特定枠候補者は個人としての選挙活動が禁じられ、特定枠候補者に投票した場合は政党や政治団体の得票とみなされる。今回は自民党、労働者党、れいわ新選組の計5人が利用した。

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