小池祐貴、9秒98 日本歴代2位タイ、日本勢3人目の9秒台

 【ロンドン20日=細野友司】男子100メートル決勝で、18年アジア大会200メートル金メダルの小池祐貴(24)=住友電工=が日本歴代2位タイの9秒98(追い風0・5メートル)で4位に入った。日本勢の9秒台は、17年の桐生祥秀(23)=日本生命=、19年5月のサニブラウン・ハキーム(20)=米フロリダ大=に続き史上3人目。個人種目での19年ドーハ世界陸上の代表入りにも大きく前進した。

 桐生は10秒13で7位、アカニ・シンビネ(南アフリカ)が9秒93で制した。“リレー侍”は21日の男子400メートルリレーでは、17年世陸王者の英国と直接対決する。

 小池は、日本勢3人目の世界に飛び込んだ。電光掲示板に、6月まで日本記録だった「9・98」が表示されていた。「ほぼ、会心のレースだった。思い描いた、現状の完璧な走りができた」。9人中、小池を含む2人以外の7人が9秒台ホルダーの豪華レースで輝いた24歳は自己記録10秒04を0秒06縮めた。土江寛裕・五輪強化コーチは「記録もそうだけど、このレベルの中であれだけ走れるなんて」と感嘆した。

 17年ロンドン世界陸上と同会場。最高の雰囲気の中、自らを追い込んだ。仮想・世陸準決勝のつもりだった。「ここで記録を出さないと(世界では)戦えない」。自分でかけた重圧を、自分ではねのける強さが壁を破るピースになった。序盤を鋭く出て、中盤以降も力強く腕を振って食い下がった。16年リオ五輪銅メダルで自己記録9秒91のA・デグラッセ(カナダ)に0秒01先着。「3着に入れば世陸の決勝が見えた」と、少し悔しさものぞかせた。

 勝ちは求めても目標タイムは設定しない主義。「目標をクリアすると、やりきった感が出る。比べるのは、昨日の自分。1本前より、いい走りをするだけ」のスタイルは不変だ。師事する臼井淳一コーチも、100&200メートル2種目での成長に目を細める。「地道に長い目で見ながら、ステップアップできている。まだ外国人に比べれば大人と子供だけど、追いつけるようにバランス良く筋力アップを図りたい」と背中を押す。

 一度は回り道をした。高校3年だった13年4月29日。同学年が日本歴代2位の10秒01を出した知らせが飛び込んだ。織田記念国際の桐生祥秀―。「すげー、というより、割とショックだった。絶望に近かった。当時自分は(10秒)60くらいで、いや無理でしょって」。現在本職の200メートルへ軸足を移す契機だった。あれから6年。桐生の隣で大台を突破し「9秒出たな」と声を掛けられた。遠かったライバルは、もう肩を並べる存在だ。

 五輪&世陸に次ぐ2番目の格付けの今大会で9秒台を出し、世界ランキングの算出ポイントも上積み。代表入りに大きく近づいたドーハ世陸は、今季世界最高の9秒81をマークしているC・コールマンらがひしめく最高峰に挑む。土江コーチも「世陸や五輪で十分戦える。リレーも、東京の金を狙ってとれる準備が整っている」と頼もしげだ。21日にはリレー侍の2走として、17年世陸覇者の英国撃破を狙う。「落ち着いてやれば、遜色ないレースができるはず」。リレーでも個人でも、小池はもう日本に欠かせない。

 ◆小池 祐貴(こいけ・ゆうき)1995年5月13日、北海道小樽市生まれ。24歳。小樽桜町小2年から野球を始め、立命館慶祥中時代はエース。立命館慶祥高1年から本格的に陸上を開始。同期に桐生祥秀がおり、高校総体3年時に100、200メートルでともに2位に敗れている。慶大4年時のインカレで優勝。2018年ジャカルタ・アジア大会200メートルで金メダルを獲得。173センチ、74キロ。

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