海老蔵長男・勸玄くんの早口言葉、気になるその中身 大人でもかまずに読むのは至難の業 

堀越勸玄くん
堀越勸玄くん

 東京・歌舞伎座で上演中の「七月大歌舞伎」(28日まで)が異例の注目を集めている。市川海老蔵(41)が急性咽頭炎のため15日夜から休演したこともあるが、最も話題を呼んでいるのは長男の堀越勸玄くん(6)だ。

 昼の部「外郎売(ういろううり)」の貴甘坊役で約4分間の早口言葉を披露。海老蔵が7歳だった1985年5月に7代目市川新之助を名乗り初舞台を踏んだ演目だが、海老蔵の「私よりも先に進んでもらいたい」という思いもあって、勸玄君は6歳で同役に挑戦している。

 本紙OBで演劇ジャーナリストの大島幸久さんは、7歳の海老蔵(当時は新之助)と比較し「勸玄くんの圧勝」と評していたが、短い映像でしか比べていない私でも納得できる。勸玄くんは、滑舌がいいことはもちろん、言葉に「歌舞伎っぽさ」を感じられる抑揚が加わっている。16、17日は父が休演で不在だったが、動じることなく堂々とした演技を見せていた。

 「外郎売」は、1718年の正月、江戸森田座の「若緑勢曾我」(わかみどり いきおい そが)で2代目市川團十郎によって初演された歌舞伎十八番の一つ。「外郎」は小田原の外郎家が製造する大衆薬。神奈川・大磯で休息中の奉行一行の元に外郎売が訪れ、服用すると舌がよく回るようになるという宣伝文句とともに早口言葉を披露する、という流れだ。

 劇中の長ゼリフは有名で、俳優や声優、アナウンサーが発声練習に使うことが多い。5段落あって、前半では薬の効能を説明し、後半では言葉自体に大きな意味はない早口言葉が続く。すべてを演じると約8分程度の時間がかかる。

 先日、社内で勸玄くんはどんなセリフを演じているの? という質問があったが、勸玄くんが演じているのは3段落目の後半と、4、5段落だ。せっかくなので勸玄くんのセリフを全部掲載する(台本まま、約700字)。

 アカサタナハマヤラワ、オコソトノホモヨロヲット、一寸先のお小佛におけまずきやるな細溝にどじょにょろり、京の生鱈奈良なま学鰹(なまがつお)ちょいと四五〆目、くるわくるわ何が来る高野の山のおこけら小僧、狸百疋箸百ぜん、天目百ぱい棒八百ぽん、武具馬具武具馬具三武具馬具合せて武具馬具六武具馬具、菊栗菊栗三菊栗合せて菊栗六菊栗、あのなげしの長長刀は誰が長長刀ぞ、向うの胡麻がらはゑの胡麻がらか真胡麻がらかあれこそほんの真胡麻がら、がらぴいがらぴい風車おきやがれこぼしおきやがれこぼしゆうべもこぼして又こぼした。たあぷぽたあぷぽちりからちりからすったっぽたぽたっぽ干だこ、落ちたら煮てくを、煮ても焼いても喰はれぬ物は五徳鉄きうかな熊どうじに石熊石持虎熊虎きす中にもとうじの羅生門には茨木童子がうで栗五合つかんでおむしやるがの頼光のひざもと去らず。鮒きんかん椎茸定めてごだんなそば切そうめんうどんかぐどんなこ新発知小棚のこ下に小桶にこみそがこ有るぞこ杓子こもってこすくてこよせ。おっとがってんだ。心得たんぼの川崎かな川程ヶ谷とつかは、はしって行けば、やいとを、すりむく三里ばかりか。ふじ沢平塚大磯がしや、小磯の宿を七つ起きして、早天さうさう相州、小田原、とうちん香、隠れござらぬ、貴賤群集の、花のお江戸の、花ういろう。あれあの花を見て、お心をおやわらぎや、いという産子這子に玉子まで、このういろうの御評判御存じないとは申されまい、まいまいつぶり角出せ棒出せ、ぼうぼうまゆに、うす杵すりばちばちばちばちくらばらくわばらくわばらと。はめをはづして、今日御出の何れも様に上げねばならぬ、売らねばならぬと。息せい引っぱり、東方世界の薬の元〆薬師如来も、上覧あれと、ホホ敬って、申す。

 昔の言葉が多く、ゆっくりでもかまずに読むのは至難の業。6歳の子がセリフを全部覚えて毎日間違えずに演じていることに、改めて感心する。

 来年5月、海老蔵は13代目市川團十郎白猿を襲名、勸玄くんは8代目市川新之助を名乗り初舞台を踏む。襲名披露興行がますます楽しみだ。(記者コラム)

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