【岩手】始まった佐々木朗希の夏…「6割」で147キロ、19球2回完全

遠野緑峰戦に先発した大船渡・佐々木は、2回無失点の好投を見せた(カメラ・矢口 亨)
遠野緑峰戦に先発した大船渡・佐々木は、2回無失点の好投を見せた(カメラ・矢口 亨)
大船渡高の日程
大船渡高の日程

◆第101回全国高校野球選手権岩手大会 ▽2回戦 大船渡14―0遠野緑峰=5回コールド=(16日・花巻)

 いよいよ夏初戦を迎えた最速163キロの“令和の怪物”大船渡(岩手)・佐々木朗希投手(3年)が、遠野緑峰との2回戦に先発。「6割ぐらい」の力でMAX147キロをマークし、2回完全でマウンドを降りた。チームは“継投ノーヒッター”で5回コールドの快勝発進。米ロサンゼルス・タイムズの記者が取材に訪れるなど、注目度は世界に広がりを見せている。

 空振りを奪った142キロ直球で、どよめきとともに佐々木の夏が幕を開けた。最速147キロの直球にスライダー、チェンジアップを織り交ぜ、テンポよくアウトを重ねる。「(力の入れ具合は)6割ぐらい。6試合あるので球数を少なくしていきたい。真っすぐにも緩急をつけられたと思います。楽しんで投げられました」。打っても、初回1死一、二塁から先制の右越え2点三塁打。2回無安打無失点、2奪三振、わずか19球で初戦の登板を終えた。

 9日間で6試合の過密日程。初戦から佐々木を起用した理由を聞かれた国保陽平監督(32)は「負けたら終わりなので」と端的に説明した。最後の練習試合となった6、7日に連投。2日で14イニング210球を投げたが、実はその前の3日間はブルペンで投げていた。連投への備えは万全。その上で、佐々木は「甲子園まで行くと考えたら、長い目で見ていかないと持たないと思うので」と自在にギアを入れ替えながら頂点を目指していく。

 約5000人が詰めかけたスタンドには米メディアの姿もあった。ロサンゼルス・タイムズのD・ヘルナンデス記者(39)は、東京五輪関連の取材で来日し、岩手まで足を延ばした。2年前に大谷翔平投手(25、エンゼルス)の取材で岩手を訪れたという記者は「(大谷と)同じレベルの投手がいると。アメリカの選手と比べられる体格。走るのも美しい。本当のアスリート」と注目した。

 密着マークを続ける阪神は3人で視察。元監督の和田テクニカルアドバイザーは「ピッチャーとしていろんなものを察知して投げられている。変化球? 一級品。コントロールもいい」と絶賛。葛西スカウトは「連戦になるからセーブしている。トップギアからしたら(この日は)だいぶ下の方」と話した。

 緊張感の中にも、笑顔がある。「このメンバーでやる最後の大会。勝って終われたらいいと思っているので、勝ち上がっていって、野球を楽しんでいけたらいいと思います」。3回に代打が送られると席を立つファンが目立った。規格外の注目を集める新時代の怪物。悲願の甲子園へ、確かな一歩を踏み出した。(山口 泰史)

 ◆佐々木に聞く

 ―去年との違いは?

 「去年は緊張だけだったんですけど、今年はすごく楽しくワクワクしながらプレーすることができた」

 ―初戦から先発。

 「自分が投げることで、チームに勢いをつけられればいいかなと思いました」

 ―夏へ向けて意識してやってきたことは?

 「チームとして勝たないといけないと思うので、自分だけがうまくいってもしょうがない。チーム全体の雰囲気とかをしっかり上げていければいいかなと。練習中から集中できるように心がけました」

 ―このメンバーで、という思いは強い?

 「そういう思いで選んだ。それが(大船渡を選んだ)一番の理由だと思う」

 ◆怪物の3年夏初戦メモ

 ▽昭和の怪物=江川卓(栃木・作新学院) 1973年7月22日の真岡工戦(2回戦)に先発。毎回の21奪三振で四球1つだけのノーヒットノーラン。続く3回戦の氏家戦、決勝の宇都宮東戦でも達成した。

 ▽平成の怪物=松坂大輔(横浜) 98年7月18日の神奈川工戦(2回戦)に救援登板。9回1イニングを3者凡退(2三振)で当時自己最速タイの150キロをマークした。甲子園では決勝でノーヒットノーラン。春夏連覇を達成した。

岩手大会結果
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