【愛知】星城、センバツVの東邦をコールド撃破 先発・石黒が8回3失点完投

スポーツ報知
8回3失点で完投した星城・石黒

◆第101回全国高校野球選手権愛知大会 ▽2回戦 星城10―3東邦=8回コールド=(13日・春日井)

 愛知では星城が、今春センバツ覇者・東邦を8回コールドで破る大金星を挙げた。センバツ優勝右腕・石川昂弥(3年)に3発を浴びせるなど、13安打10得点。プロ注目の最速146キロ右腕・石黒佑弥(3年)は8回3失点完投で、打ってもダメ押し3ランと投打に躍動した。岡山では、今秋ドラフト1位候補の創志学園の西純矢投手(3年)が、岡山南との1回戦で今季公式戦初登板。雨の中で7回を2失点10奪三振と力投。日米13球団のスカウトが視察した中で最速151キロをマークし、2年連続出場に向けて好発進した。

 「令和の佑ちゃん」が投打二刀流で金星をもたらした。大きなフォロースルーから描かれた放物線は左中間の芝生席まで届いた。3点リードの7回1死一、二塁。センバツ優勝右腕・石川の真ん中高めスライダーを粉砕した。8番打者ながら高校通算18号3ラン。「東邦を倒したのはでかい」。王者に8回コールドで引導を渡した。

 投げては3回に3点を先行されたが、「切り替えて、ギアを上げた。そのとき、そのときの全力で投げた」。石川とはともに昨年末の愛知県選抜でオーストラリアに遠征。「どこに投げても打たれるオーラがあった」というが、臆さない。この日の最速144キロで内角を攻め、スライダー、カーブで対角線を突き、初回の単打だけに抑え込んだ。8回8安打3失点。「フォームがきれいなので参考にしている」というエンゼルス・大谷ばりの二刀流を演じた。

 11球団19人のスカウトが視察。中日・近藤スカウトは「初戦より躍動感がある。制球がよく、打撃も思い切りがいい。(志望届を出せば)可能性はある」。ヤクルト・橿渕スカウトグループデスクも「真っすぐに力がある。打撃も積極性があって、野球センスを感じる」と目を光らせた。

 豊田西を率いて1998年センバツ初出場で2勝を挙げた平林宏監督(62)は就任5年目。「春日本一の投手に、トップを浅く当てにいっても通じない。トップをきちっと取って振り切れと話していた。成果が出た」。4回に5連打など6安打4点で逆転。3発を含む13安打10得点に導いた。

 男子バレーボール部は、東京五輪の星・石川祐希を擁した2012、13年に2年連続全国3冠。50メートル6秒0でチーム一を争う身体能力の右腕は、球技大会のバレーでも抜群の跳躍力で沸かせる。野球部は甲子園出場がなく、夏は85年4強が最高。指揮官は「今年はバレー部も高校総体に行けない。夏の球技では野球が最後の砦(とりで)」。佑ちゃんが希望の星になる。(山崎 智)

 ◆星城(せいじょう=愛知・豊明市)1963年創立の私立共学校。校名は、生命と天地の躍動を感じる星空と、名古屋城の雄大さ、人間の力の偉大さから組み合わせたもの。シンボルカラーはエンジ色。男子バレーボール部は全国制覇の経験を誇り、女子バスケットボール部も強豪として知られ、この日は球場で応援。OBに元阪神・鮎川義文、レーシングドライバー・中嶋一貴、北京五輪レスリング代表・加藤賢三、俳優・阿部亮平ら。

 ◆石黒 佑弥(いしぐろ・ゆうや)2001年6月20日、愛知・江南市生まれ。18歳。藤里小1年時に藤里スポーツ少年団で野球を始め、春はソフトボール、冬はサッカー、駅伝で鍛える。宮田中軟式野球部で捕手。2年から投手。星城で1年春からベンチ入り。2年秋から背番号1。178センチ、74キロ。右投右打。兄・雅季さん(19)も星城の2学年上で185センチの最速140キロ超右腕だったが、腰を痛め3年夏はベンチ外。中学ではバッテリーも組んだ。

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