【球宴】阪神・原口、感動呼んだ9回2死代打2ラン…がんから復活、全ての人に感謝の思い

9回2死一塁、代打・原口が2ランを放ち、セ・リーグナインはベンチで歓声を上げる(カメラ・相川 和寛)
9回2死一塁、代打・原口が2ランを放ち、セ・リーグナインはベンチで歓声を上げる(カメラ・相川 和寛)

◆マイナビオールスターゲーム2019 全セ3―6全パ(12日・東京D)

 「マイナビオールスターゲーム2019」の第1戦が東京Dで行われ、6月に大腸がんから1軍復帰した全セの阪神・原口が代打2ランを放ち、敢闘選手賞に輝いた。“最後の一人”をファン投票で選ぶプラスワン投票で3年ぶり2度目の球宴出場を果たし、9回2死一塁から左中間に放り込んだ。全セは全パに5連敗となったが、不屈の男が放った一撃で祭典は感動に包まれた。通算成績は全パの85勝78敗11分け。第2戦は13日に甲子園で行われる。

 “奇跡”の球宴1号だ。5点を追う9回2死一塁に代打で登場。カウント1―1からの3球目、山本の148キロカットボールを完璧に捉えた。ライナー性の打球が左中間席に飛び込んだ。原口は左手を上げ、ゆっくりとかえってきた。そしてヘルメットを取り、大歓声に応えた。全ての人に感謝の思いを届けた。

 「みんな、笑顔で迎えてくれて、とても幸せな気分でした。(ヘルメットを取ったのは)みなさんに『ありがとうございます』という意味も込めてやりました」

  • 9回2死一塁、原口文仁(右端)が左中間へ2ランを放ち、ファンの声援に応える(カメラ・安藤 篤志)

    9回2死一塁、原口文仁(右端)が左中間へ2ランを放ち、ファンの声援に応える(カメラ・安藤 篤志)

 1月24日、大腸がんになったことを公表。6月4日のロッテ戦(ZOZO)で1軍復帰を果たした。今回は、プラスワン投票による「最後の一人」として3年ぶり出場。9回、2死から中日・高橋の安打がなければ打席は回ってこなかった。数々の巡り合わせで生まれた一発。ベンチに帰ると、高橋に「ありがとう」と伝えた。

 「やっぱり、松井秀喜さん。すごいホームランを打っていたのが印象に残っています」。オールスターで思い出すのは憧れの松井秀喜。埼玉出身で子供の頃は巨人ファンだった。この日試合が行われた東京Dは父・秀一さんに手を引かれ、何度も通った場所。これもまた、一つの偶然だった。「一塁側ベンチから出てくるのが、すごくうれしい気持ちと、昔を思い出す気持ちがこみ上げました」。今は阪神の一員だが、一度は夢見た一塁側から試合を見つめる自分が不思議だった。

  • 敢闘選手賞に選ばれ表彰台に向かう原口文仁(カメラ・中島 傑)

    敢闘選手賞に選ばれ表彰台に向かう原口文仁(カメラ・中島 傑)

 試合前には巨人・坂本勇と談笑し、打撃論などを交わした。「今回はガツガツね。『ウザいな』と思われるくらい」という予告通り、積極的に聞いて回った。復帰後、19試合で打率2割6厘、5打点。「この数字で出させてもらうことに申し訳なさも多少ある」。複雑な気持ちを口にしていたが、今季38打席で1本もないアーチを夢舞台で架けた。

 13日の第2戦は本拠地・甲子園。たくさんのファンに背番号94の雄姿を届けたい。「元気にプレーしている姿を見てもらえたらうれしいです」。この男なら、何度だって奇跡を起こせる。(中村 晃大)

  • 敢闘選手賞に選ばれた原口文仁(カメラ・橋口 真)

    敢闘選手賞に選ばれた原口文仁(カメラ・橋口 真)

 ◆奇跡を起こした“帝京魂”

 帝京魂”も奇跡を起こした要因だ。試合前、球場を訪れていた帝京高野球部の先輩、とんねるずの石橋貴明と久々に対面した。1学年後輩のDeNA・山崎とともに高校時代の話などで盛り上がった。がんから復帰した際には本紙を通じ、テレビ朝日系列の名物企画「リアル野球BAN」にノルマつきのオファーを出すなど交流の深い2人。原口は「こういう機会はなかなかない。いいところを見せられて良かった」と喜んだ。

試合詳細
9回2死一塁、代打・原口が2ランを放ち、セ・リーグナインはベンチで歓声を上げる(カメラ・相川 和寛)
9回2死一塁、原口文仁(右端)が左中間へ2ランを放ち、ファンの声援に応える(カメラ・安藤 篤志)
敢闘選手賞に選ばれ表彰台に向かう原口文仁(カメラ・中島 傑)
敢闘選手賞に選ばれた原口文仁(カメラ・橋口 真)
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