【箱根への道】青学大3年生コンビ・神林&吉田圭、人間力も走力もNZ留学経て成長

5月上旬に激励に訪れた鈴木主将(中央)。吉田圭(左)も神林も「すごいうれしかった」と振り返った(写真はいずれも青学大陸上部提供)
5月上旬に激励に訪れた鈴木主将(中央)。吉田圭(左)も神林も「すごいうれしかった」と振り返った(写真はいずれも青学大陸上部提供)
宿泊ホテルのオーナー・野口文男さん(左端)と妻の早百合さん(右端)は吉田圭(左から2人目)と神林(同3人目)を献身的にサポート
宿泊ホテルのオーナー・野口文男さん(左端)と妻の早百合さん(右端)は吉田圭(左から2人目)と神林(同3人目)を献身的にサポート

 今年の箱根駅伝で2位だった青学大の吉田圭太と神林勇太(ともに3年)が、地球社会共生学部の必須カリキュラムとなっている海外留学を終え、約5か月ぶりにチームに復帰した。ニュージーランドのネルソンマルボロ工科大で学びながら練習を積み、心身ともに成長。同学部の教授でもある原晋監督(52)が箱根王座奪回のキーマンに指名する2人は、留学を振り返りながら今季の目標を語った。

 青学大駅伝チーム初の長期留学を終えた2人の表情は自信に満ちあふれていた。「故障することなく練習を積めたことが一番の収穫」と吉田圭。神林も「2人だけですが、甘えることなく走り込むことができた」と充実の笑顔を見せた。

 青学大の地球社会共生学部では、約半年の海外留学が必須カリキュラムとなっている。陸上部では初めて同学部に入学した吉田圭と神林は2月21日にニュージーランドに出発し、7月8日に帰国。学生アスリートが競技のために留学することは多々あるが、吉田圭と神林は学業が優先。関東の学生長距離ランナーにとって箱根駅伝と並ぶビッグイベントの関東学生対校(5月)も欠場した。ニュージーランド南島の北東部にあるネルソンマルボロ工科大に留学。「授業は全て英語。最初の頃に比べると、ほとんど聞き取れるようになった」と吉田圭は胸を張って話した。

 学業に励みながら練習にも精力的に取り組んだ。ネルソンは全天候型400メートルトラック、起伏に富んだクロスカントリーコースが完備され、練習環境は抜群。さらに、宿泊ホテルのオーナーの野口文男さん(55)は箱根駅伝予選会などに出場経験がある青学大陸上部OB。練習、生活面で万全のバックアップを受けた。「野口さんはロード走ではバイクで伴走してくれて給水出しやタイム計測をしてもらった。全ての朝食、夕食がおいしかった。本当に感謝しています」と神林は頭を下げて話した。

 3月下旬にはネルソンで合宿を行った青学大OBの藤川拓也(26)=中国電力=、東洋大OBの服部勇馬(25)=トヨタ自動車=と合同練習を行う機会があった。「藤川さんも服部さんも朝練習から走り込む距離が多かった。参考になりました」と神林。20年東京五輪マラソン代表選考会(9月15日)に参戦する日本トップレベルのランナーから学ぶことは多かった。

 5月上旬には鈴木塁人主将(4年)が激励に訪れ、約1週間、一緒に練習した。「塁人さんが日本に帰る時はさびしかった」と吉田圭は苦笑いしながら話した。

 帰国直前の5日、神林が自転車で通学中に、駐車していた自動車のドアが急に開いたため、よけようとして転倒するアクシデントに見舞われたが、幸い大事には至らず。「最後のアクシデントは余計でしたが、1週間くらいで治ると思います。それ以外は大きなトラブルはなかった。長かったけど、終わってみればあっという間でした」。髪の毛が肩まで伸びた神林は異国の5か月間を振り返った。

 地球社会共生学部の教授を兼任する原監督は、留学の成果に期待大。「人間的に大きくなって帰ってきた。語学力が身につき、将来、世界の舞台で活躍するためにプラスになる」と話す。合宿終盤には2人だけで5000メートルタイムトライアルを行い、神林が14分6秒、吉田圭が14分9秒の好記録で走破。指揮官は昨季の学生3大駅伝全てで区間賞を獲得した吉田圭について「今季、青学大の絶対エースになる」と太鼓判。昨季、学生3大駅伝で出番がなかった神林については「今季、覚醒するはず」と“予言”する。

 青学大は今年の箱根駅伝で2位となり、5年ぶりに優勝を逃した。留学中に上級生となった2人の今季に懸ける思いは強い。「昨季は3回区間賞といっても強い先輩のお陰で負担の少ない区間だった。今年はエース区間で区間賞を狙います。森田(歩希)さん(現GMO)のような存在になりたい」。吉田圭は、3年時に箱根駅伝2区区間賞、4年時に同3区区間新記録の大先輩の名前を挙げながら今季の目標を明かした。神林は「学生3大駅伝全てに出ます。箱根では1区か3区を任されるような選手になりたい」と意気込む。

 留学中は同部屋で暮らし、大学でも練習でも常に助け合いながら約5か月を過ごした。「トイレや風呂以外、毎日23時間は一緒にいた」と2人は声をそろえて笑う。絆を深めた3年生コンビが箱根王座奪回の鍵を握っている。(竹内 達朗)

5月上旬に激励に訪れた鈴木主将(中央)。吉田圭(左)も神林も「すごいうれしかった」と振り返った(写真はいずれも青学大陸上部提供)
宿泊ホテルのオーナー・野口文男さん(左端)と妻の早百合さん(右端)は吉田圭(左から2人目)と神林(同3人目)を献身的にサポート
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