歌丸さんは生きている!?一門弟子が一周忌で語ったエピソード

桂歌丸一周忌追善公演で対談する(左から)田代沙織、桂枝太郎、桂歌蔵、桂歌若、桂歌助、桂歌春
桂歌丸一周忌追善公演で対談する(左から)田代沙織、桂枝太郎、桂歌蔵、桂歌若、桂歌助、桂歌春
桂枝太郎が描いた“歌丸ひょうちゃん”
桂枝太郎が描いた“歌丸ひょうちゃん”

 もう1年か、時がたつのは速いなと感じた。。7月2日に横浜・三吉演芸場で行われた「桂歌丸一周忌追善公演」を取材した。昨年、亡くなった歌丸さん(享年81)の命日に一門弟子の桂歌春(69)、桂歌助(56)、桂歌若(51)、桂歌蔵(54)、桂枝太郎(41)が勢ぞろいし昼夜公演を行った。

 三吉演芸場は歌丸さんの自宅近くにある大衆演劇場で、1974年1月から2014年10月まで192回、独演会や一門会を行ってきたホームグラウンド。歌丸さんが新作から古典に転向するきっかけともなった場所だ。いわゆる“余一会”として、演劇の合間を縫って年5回、31日に公演を行ってきた。

 懐かしい出ばやし「大漁節」が流れてスタートした座談では枝太郎が「(寄席が休みの)31日にあったので休みがなくて恨みましたね」と話せば、ほほえむ歌丸さんの写真を前に歌蔵は「こんな顔は弟子には見せたことがない」と語るなど思い出話で笑わせた。

 歌丸さんはネタおろしは三吉演芸場で行っていた。弟子たちからはその後、あまり聞かなくなった「心のともしび」というレアなネタがあったことも明かされた。歌蔵は「『藁人形』とか落語のマニアしか聞かないものをあえてやる。チャレンジ精神は鬼気迫るものがありました」と話した。

 歌若は「好きなジャンルになるとオーラが違いましたね。芝居噺が好きだったので『中村仲蔵』は弟子からしてもたいしたものだなと思いましたよ」と語れば、歌助は「怪談噺に取り組み始めたときはすごいパワーでした」、歌春は「『釣りの酒』を稽古してもらった時、自慢の釣り竿を持ち出して、1時間ずっとその話だった」とそれぞれのエピソードを語った。

 三吉演芸場は7月は劇団「たつみ演劇BOX」(座長・小泉たつみ、小泉ダイヤ)が公演を行っている。1日に初日だったが、2日は特別に休演し、歌丸一門に譲った。演芸場の関係者は「大道具も運び出して、(追善公演のために)音響設備は残してくれた。音響スタッフも出してくれた」と配慮に感謝した。

 地元・横浜の崎陽軒も特別に1日限定で「桂歌丸さんの愛した炒飯弁当」を限定1000個発売し完売した。歌丸さんが苦手だったグリーンピースを外し、弟子の枝太郎が描いた“歌丸ひょうちゃん”の磁器のしょうゆ入れを付けるなど粋な計らいをした。歌丸さんが「炒飯弁当」と呼び好んだのは別商品「横濱チャーハン」だったらしいが、地元企業もすてきな企画で公演を後押しした。

 昼夜とも満員の大盛況。夜の部では、歌若が「壺算」、歌蔵「新聞記事」、歌春「お化け長屋」、枝太郎「おすわどん」、歌助「竹の水仙」と師匠の得意ネタを披露した。来年の命日には歌丸さんが館長を務めていた横浜にぎわい座での開催を予定している。

  歌丸さんが亡くなって1年。歌助は「師匠 歌丸 背中を追い続けた三十二年」を、歌蔵は歌丸さんを描いた小説「廓に噺せば」を出版した。あの高座を生で聞くことはもうできないが、思い出や魂はファンや弟子の心の中で生き続けていることを実感した。(記者コラム・高柳 義人)

桂歌丸一周忌追善公演で対談する(左から)田代沙織、桂枝太郎、桂歌蔵、桂歌若、桂歌助、桂歌春
桂枝太郎が描いた“歌丸ひょうちゃん”
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