内山高志氏「中盤から後半KO」山中慎介氏「村田の右ストレート」…2大元世界王者が再戦占う

計量を終え、並んでポーズを決める村田諒太(手前左)とロブ・ブラント(同右=カメラ・石田 順平)
計量を終え、並んでポーズを決める村田諒太(手前左)とロブ・ブラント(同右=カメラ・石田 順平)

◆報知新聞社後援 プロボクシング世界戦 ▽WBA世界ミドル級(72・5キロ以下)タイトルマッチ 王者ロブ・ブラント―同級4位・村田諒太(12日、エディオンアリーナ大阪)

 プロボクシング前WBA世界ミドル級王者・村田諒太が12日に王者ロブ・ブラントとの再戦に臨む。アマチュア時代から村田をよく知り、ともに世界戦で再戦を経験しているスポーツ報知評論家の元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志氏(39)と元WBC世界バンタム級王者・山中慎介氏(36)が「村田―ブラント2」の行方を占った。WBC世界ライトフライ級王者・拳四朗は前日計量でリミットから100グラム軽い48・8キロで一発パス。テレビの生中継で強さをアピールするため「8回くらいで」とKOでのV6を宣言した。

 ―どんな試合の入り方がいいか。

 内山「村田は圧力をかけて、ブラントの体力を早めに削りに行くべきだ。昨年10月の試合は、村田が距離を取って相手を分析している間にブラントに動き回られた。一度戦い、どんなスタイルの選手かインプットできているはず」

 山中「様子見はいらないが、焦りは禁物。焦ると攻撃のタイミングが早くなって空振りしたりする。倒す意識が強く出過ぎて、前がかりにならないようにしたい。空回りしないためにも自分を抑える必要がある」

 ―試合の鍵は?

 内山「まずはパンチを多くもらわないこと。特にジャブ。前回はガードを固めて踏み込んだところで勝負をしようとしたが、体に安定感が欠け、棒立ちの状態でいいように打たれていた。村田は相手のパンチをもらわないように体を振っていくのではないか。さらに相手のジャブに対し、何らかのパンチを合わせるべきだ。打たれっ放しで終わらないこと。パンチを合わせられると相手も簡単には手を出せなくなる」

 山中「前回もジャブは負けてなかった。スパーリングでも良いジャブが出ていた。やはり試合には練習でやってきたことしか出ない。村田は負けたが、1戦目で12回を戦い抜いたことをプラスに捉えたい。相手のパンチの威力や軌道、距離に加え、ファイトスタイルも分かっている。今回は第1ラウンドが違ってくるのではないか」

 ―ブラントの手数とフットワークをどう止めるか。

 内山「ブラントは村田のパワーを分かっているから、やはり離れて戦いたいはず。もともと、距離を取って戦うアウトボクサーで、戦略的に自ら距離を取る方が楽だが、相手に来られて逃げる方が疲れるもの。村田は相手を下がらせることに徹したい。押し込んで、自分の土俵に持ち込めばいい。体力勝負なら村田は強い」

 山中「圧力だけでなく、相手と離れている時やパンチを出してない時でも、村田は何かアクションを入れていきたい。フェイント一つでも違う。ブラントも対応しようと見るので、手や足も自然と止まる」

 ―一度負けた相手と戦う難しさとは?

 内山「苦手意識が先行する。僕も王者時代にコラレスに一度KO負けして、リマッチをした(注1)。試合前は分析した上で勝つ方法は分かっているのだが、リングで向き合うと、前の試合のイメージが残っていた。打ち込もうとしても『カウンターが来るかも』と躊躇(ちゅうちょ)する場面もあった。本来のボクシングができなかった。ただ、村田は倒されて負けたわけではない。ブラントのパンチを恐れていないだろう。そこはすごい強み。腹をくくっていけばいい」

 山中「互いに知り尽くしていることが試合展開に大きく影響する。自分は再戦を2度やった(注2)。小差で判定勝ちしたモレノとのリマッチは相手が自信を持ったのか、距離を半歩分近づけてきたことで左ストレートが当たりKO勝ちできた。ネリとの再戦は好戦的な相手に対し、接近戦でどっしり構えて応戦することも想定したが、負けた。正直、スタイルは完全に変えることはできない。初戦で勝った方は自信も勢いもある。敗者は覆すにはやはりいろんな面でエネルギーが必要になる」

 ―どんな結末になるか。

 内山「村田が中盤から後半にかけてKOするだろう。海外では『ブラント有利』の声が多いようだが、村田も今回は国内での試合で調整はしやすかっただろう。前回は動きに硬さや重さが感じられた。重圧を吹き飛ばしてほしい」

 山中「相手とかみ合えば判定、KO勝ち両方ありえる。スパーリングでも右ストレートがいい距離で当てられていた。当たれば効かせられると思う。調整も順調と聞いており、実際にいい顔つきをしていた。村田ならやってくれるはずだ」

 <注2>山中氏は王者時代に2度のリマッチを経験した。2015年9月のV9戦で元世界王者アンセルモ・モレノ(パナマ)に2―1の判定勝ち。翌16年9月のV11戦で再戦し、ダウンの応酬の末に7回TKOで勝った。2例目はルイス・ネリ(メキシコ)が相手。17年8月のV13戦で4回TKO負け。18年3月の再戦でも2回TKOで敗れた。

 ◆山中 慎介(やまなか・しんすけ)1982年10月11日、滋賀・湖南市生まれ。36歳。南京都高1年でボクシングを始め、3年で国体優勝。専大を経て2006年1月にプロデビュー。10年6月に日本バンタム級王座を奪取。11年11月にWBC世界同級王座獲得。17年8月に王座陥落するまで日本歴代2位の12戦連続防衛。18年3月の世界戦に敗れて現役引退。通算戦績は27勝(19KO)2敗2分け。身長170センチの左ボクサーパンチャー。

 ◆内山 高志(うちやま・たかし)1979年11月10日、埼玉・春日部市生まれ。39歳。花咲徳栄高1年でボクシングを始め、拓大4年から全日本選手権3連覇。2005年7月にプロデビュー。10年1月にWBA世界スーパーフェザー級王座を奪取。16年4月の12度目の防衛戦で敗れて王座陥落。17年7月に引退表明。通算成績は24勝(20KO)2敗1分け。身長172センチの右ボクサーファイター。

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